日本のある村。小野泰彦は妻、息子の洋一とその妻・いずみとともに暮らしていた。のどかで美しい風景のなかで、酪農を生業としている小野家は、幸せな生活を送っていた。隣家の息子は家業を手伝わずに恋人と遊びまわっては、父親と母親に叱られてばかりいる。ある日、大地震が起き、彼らは避難を強いられることになる。だが、小野家は愛着を持った家をなかなか離れることができない。その渦中でいずみの妊娠が発覚し…。
園子温
『冷たい熱帯魚』、『ヒミズ』など精力的に独自のワールドを展開する鬼才・園子温監督が、東日本大震災から数年後の日本を舞台に、オリジナル脚本を手がけた最新作『希望の国』が、現在カナダ・トロントにて開幕中の第37回トロント国際映画祭のコンテンポラリー・ワールド・シネマ部門に正式出品され、日本時間の9月8日(土)にワールドプレミア上映された。上映は21時45分からの夜遅くとなったが、現地入りした園監督には満場の観客から盛大な拍手が贈られた。
昨年度のヴェネチア国際映画祭で喝采を浴びた『ヒミズ』を始め、その斬新なスタイルと世界観が熱狂的な支持を集める園子温監督がオリジナル脚本で挑んだ最新作『希望の国』の新たなるキャスト陣が発表された。