ホラー映画の現場は明るい!『エクステ』大杉漣インタビュー

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恥ずかしいというよりも楽しかった『エクステ』大杉漣インタビュー
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「やっちゃったなぁって感じですよね(笑)」。インタビュー早々に飛び出したこの発言から、大杉漣が今までにない役を演じたと察しがつくだろう。主演俳優として、またバイプレイヤーとして圧倒的な数の作品に出演するベテランであっても演じたことのない役とは一体どんな役なのか──。それが登場するのは園子温監督の『エクステ』。その名の通り、近年のファッション界でお馴染みのヘアー・エクステンション(つけ毛)をテーマにしたホラー映画だ。栗山千明演じるヒロインたちがエクステに乗り移った少女の怨念に巻き込まれるという物語。“史上最大の怪演!”と驚異の演技を魅せた大杉さんに『エクステ』の魅力について、また自らの新境地を得た想いについて語ってもらった。

大杉さんがこの作品で演じるのは究極の髪の毛フェチ男、山崎。
「エクステ自体は娘が付けていたことがあったので知っていましたが、とにかく脚本を読んだときのインパクトがもの凄かった。でも、それ以上に園子温監督に会ったときのインパクトが凄くて…この人が撮る映画はどんなものなんだろうと興味が湧いたんです」

そして、大杉さんを一気に役に引き込んだのは、打ち合わせ時に監督から渡された1枚のCD。
「エレクトーンをバックに監督の声で『ヘア〜♪、ヘア〜♪』って入っているCDを渡されたんです。細胞のひだまで入り込んでくるような曲で、これがまた妙に薄っぺらくて寂しいんですよ(笑)」。確かにそのインパクトは強烈で、一度聞いたら離れないしつこさがある(どんな曲なのかは映画で確かめて!)。「家に帰って風呂に入っている時につい口ずさんだり、スタッフの方が鼻歌でうたいながら仕事していたり、しまいには家族にまで浸透して、かみさんが洗い物しながら楽しそうに歌っていました」

さらに、「今まで衣装では着たことがない」というオーバーオール姿がこれまた強烈。
「監督といろいろ話しながら山崎のキャラクターを作っていったんですが、僕の小さなやる気に油を注いで大きく燃え上がらせてくれるんですよね、園監督は。あのとんがり帽子も自分で買いに行ったんですよ」。いつもの渋い出で立ちからは想像しがたい衣装で、ヒロイン優子(栗山千明)の働く美容室に髪を売り歩くという不気味なキャラクターを演じた大杉さん。抵抗はなかったのだろうか。
「最初の撮影は街中で子供に声をかけるロケだったんです。あの格好で普通に歩いていたし、コンビニにも入りました(笑)。山崎は周りの視線を気にせず生きている男。恥ずかしいというよりも楽しかったですね」。その怪演ぶりは次第にエスカレートし、監督からストップがかかったこともあったと明かす。

とにかく驚きの連続の本作。山崎の自宅には部屋いっぱいに“髪”が飾られているが、そんな撮影現場を──
「ものすごく楽しかったですよ。中国から輸入した人工の毛、これからエクステになる毛が部屋いっぱいにある。それを見て気持ち悪いという人もいるだろうけど、山崎はそれを見ることが快楽なんです。もちろん、大杉漣としての快楽はないですけど(笑)、そんな山崎と自分の距離感を楽しんでいたのかもしれないですね」

山崎の髪の毛フェチにちなんで、大杉さん自身は何フェチなのか訊いてみると──
「今まであんまり聞かれたことないけど、敢えて言うなら…サッカーフェチかな。役者稼業よりもサッカーの方が長いですから」との回答。そして役者、大杉漣の存在意義について語ってくれた。
「サッカーはピッチに立てるのは11人。役者も同じでその11人になれるかどうかだと思うんです。ベンチにいても仕方がない。映画でもテレビでもいい、常に11人の中にいたいんですよ。そのためには選んでもらうことが大切。監督や作品の求めているものにどう近づけるのか模索する──それを繰り返しているだけなんです」

『LOFT ロフト』(黒沢清監督)、『悪夢探偵』(塚本晋也監督)、そして本作『エクステ』。立て続くホラー作品への出演を「たまたま重なっただけ」と大杉さんは言うが、ホラーの現場を重ねたからこそ『エクステ』で新・大杉漣が生まれたのかもしれない。最後に「ホラー映画の撮影現場は怖いと思われがちだけれど、そうじゃない。意外と現場は明るいんです。まあ、園子温監督はおどろおどろしいですけどね(笑)」と毒舌ラブコール! 今までに見たことのない大杉漣を見てみたいと思いませんか?

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