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「ウエスタン独特の世界観に惹かれる」孤高のガンマン・伊藤英明が語る『ジャンゴ』

伊藤英明と言えば、『海猿』や『この胸いっぱいの愛を』などの爽やかな二枚目という印象が強い。そんな彼が、心にも身体にも傷を負ったさすらいのガンマンを演じたのが『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』だ。その独特の世界観で海外からの注目も高い三池崇史監督が世界に照準を向けた日本発のウエスタン映画への出演について、伊藤さんに語ってもらった。

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『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』 伊藤英明 photo:Yoshio Kumagai
『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』 伊藤英明 photo:Yoshio Kumagai
  • 『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』 伊藤英明 photo:Yoshio Kumagai
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  • 『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』 伊藤英明 photo:Yoshio Kumagai
伊藤英明と言えば、『海猿』や『この胸いっぱいの愛を』などの爽やかな二枚目という印象が強い。そんな彼が、心にも身体にも傷を負ったさすらいのガンマンを演じたのが『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』だ。その独特の世界観で海外からの注目も高い三池崇史監督が世界に照準を向けた日本発のウエスタン映画への出演について、伊藤さんに語ってもらった。

「無理だろう、これ」。最初に脚本を読んだときの伊藤さんの感想だ。
「設定はもちろん、全編英語だし、その上ウエスタン。どう転ぶか分からないと思いました。危険な香りがしませんか?」

この言葉だけ聞くとどうにも不安そうに思えるが、伊藤さんは明るい表情だ。
「無茶だと思うことをリアリティのある面白いものに仕上げるのが三池監督のスゴイところだと思うんです。日本人が英語しゃべって、源平の戦いの中にガンマンが入っていって、それでウエスタンっていう設定もむちゃくちゃでしょ? いまは映画が出来上がっているから、こういう説明ができるんですけど、最初は全然想像つかなくて」。

「とにかく英語が大変だった」という伊藤さん。とはいえ、さすらいの孤高のガンマンというキャラクター。さほどセリフは多くないが…
「日本人は耳で聞きながら字幕を読んで理解するという方法に慣れているけど、外国の人って、そういうことにあまり慣れてないみたいなんですよね。だからちゃんとした英語、ネイティブに近い英語に聞こえなきゃいけなかった。しかもウエスタンだから、日本で言うところの時代劇みたいな言葉でという難しさがありました。それはセリフが多かろうが少なかろうが同じなんです。しかも、自分ではこういう感情で話しているつもりでも、英語で聞いた場合に全く違ったニュアンスで聞こえてしまったり、音を切るところが違えば、全く違った意味に聞こえたりする。英語のトレーナーももちろん付いていてくれるんですけど、相手は日本語がわからないから、自分がどう演じたいのか、ワンクッションもツークッションも置いて伝えなきゃいけない難しさもありました。キャラクターを理解した上でのアドリブも英語だとやりにくい。そういうもどかしさもありました」。

「僕が演じたガンマンも、強いというイメージかもしれないけど、実は弱いんじゃないかと思って。だって、背中に刀傷とかあるんですよ。あれだけ強くて研ぎ澄まされていたら、後ろに来たら分かるだろ、って」と笑う伊藤さん。とにかく三池監督との仕事が楽しかったようだ。
「ツッコミどころがたくさんあるんですよ。僕のキャラクターにしたって、名前くらいはあるだろうって思ってたのに…。みんなに聞いても『伊藤がジャンゴじゃない?』って言ってたんですよ。でも映画観終わって『うそー!』って(笑)。しかも西部開拓時代に日本人がマカロニウエスタンを広めたって。何て図々しい人なんだ、三池さんは(笑)。脚本にもそんなこと書かれてないんですよ。途中で思いついたんだと思います」。

そうした監督の思いつきエピソードはほかにも。
「(石橋)貴明さんが演じる弁慶が馬車でガトリング銃を運ぶシーンがあるんですけど、台本では馬が引くはずだったんです。でも馬が馬車を引ける環境じゃなかったから牛にしたんですよ。でも牛もやっぱり言うことを聞いてくれなくて。だからわざと牛を放したんです。そういうハプニングを面白い発想に変えるところは、さすが三池さんですよね。でも周りには、それを言わないんですよ。あたかも最初から計算していたかのように(笑)」。

ほかにも馬の扱いや天候など、大変だったことは多々あったという本作の撮影。それでも伊藤さんは、「またウエスタンに挑戦したい」と笑う。
「やっぱり馬に乗って銃をぶっ放すっていう(笑)。ウエスタンって単純じゃないですか。だけど男はああいう世界観に惹かれるんですよ。元々自分の父親がウエスタン好きで、僕も一緒に観てたんです。テンガロンハットかぶって馬乗って、銃ぶっ放して、ならず者の中に切り込んでいくっていう独特の世界に惹かれるものがありました。今回の映画が決まってウエスタンを観直したら、やっぱりいいなあと思いました。でも、実際の西部の開拓時代って黒人のガンマンとか東洋人のガンマンとか絶対にいたと思うんです。そういう人が出てくる映画はないけど。だから、白人の人が『ジャンゴ』を観たら、どう思うのかな。ウエスタンなのに雪が降るし(笑)。四季があるんですよ」。

『ジャンゴ』について話すのが楽しくてしょうがないといった面持ちの伊藤さん。だからこそ最後にこんな言葉が出てきた。
「映画はどうでしたか? 本当に男の世界ですよね。感想が気になるんです」。

答えはさておき、伊藤さんの次のウエスタン作品への出演も楽しみだ。

《photo:Yoshio Kumagai》

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