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【東京国際映画祭レポートvol.31】異色のインド映画『ガンジー、わが父』会見

“非暴力・不服従”をスローガンにインドを独立へと導いたガンジー。だが、彼の実の息子は、偉大すぎる父の存在に自らを見失い、その愛を疑い、やがて街を彷徨う浮浪者同然の生活へと身を落としていく。インド独立の陰に隠された真実の物語『ガンジー、わが父』。コンペティション部門へと出品された本作のメガホンを取ったフェロス・アッバース・カーン監督の記者会見が10月24日(水)に行われた。

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『ガンジー、わが父』ティーチインに出席したフェロス・アッバース・カーン監督
『ガンジー、わが父』ティーチインに出席したフェロス・アッバース・カーン監督
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“非暴力・不服従”をスローガンにインドを独立へと導いたガンジー。だが、彼の実の息子は、偉大すぎる父の存在に自らを見失い、その愛を疑い、やがて街を彷徨う浮浪者同然の生活へと身を落としていく。インド独立の陰に隠された真実の物語『ガンジー、わが父』。コンペティション部門へと出品された本作のメガホンを取ったフェロス・アッバース・カーン監督の記者会見が10月24日(水)に行われた。

「日本に着いてすぐに、故郷のような居心地の良さを感じました。リラックスしながら映画祭を楽しんでます」と笑顔で語る監督。本作は、どの程度実話に基づいているのか? という問いに監督は「この映画のために準備段階でかなりのリサーチを行いました。ハリラル・ガンジーの研究者による詳細な評伝や彼の孫娘による書簡集、そしてヘンリー・ポロックという南アフリカでガンジーの下で働いていた人物の妻による、ガンジーの日常を描いた書籍などを参考にし、父と子の対話なども実際の手紙をもとにしています。事実に対する解釈は私の仕事ですが、基本的にここで描かれていることは全て実話です。だからこそ、本作の製作の過程でガンジーの家族からサポートを受けることができたのです」と答えた。

監督は舞台の演出家としても活躍しており、本作も元々は芝居として上演されたものだというが、「舞台の演出と今回の映画化で、製作のアプローチは全く違いました。いかにも芝居的な大げさな部分などは全て削ぎ落とし、俳優もスター性を引きずってほしくなかったので、あえて無名の役者から選びました。彼には体重を減らすなどといった肉体的な意味での役作りを課すだけでなく、仏教の聖地で瞑想をさせたりもしました。彼自身の中にガンジーというものを宿らせてほしかったのです」と製作過程でのエピソードを交えて説明してくれた。

やはり“ガンジー”という偉大な人物を扱うことに不安もあったという監督。「彼はインドでは神聖な存在です。その人物や家族を描くということで、どう表現すれば良いのか大変悩みました。最終的には真理に沿って、思い切って立ち向かっていこうと心を決めたのです」とその胸の内を語った。

インドにおける評価、受け止められ方については「インドでは、多くの映画が最後には観客も一緒に歌って踊って、という風になるのですが、この作品に関しては上映後、沈黙が流れ多くの観客が涙を流していました。感動をもって受け止められたことを嬉しく思います」と語った。まさに従来のインド映画のイメージを覆すような『ガンジー、わが父』。日本の観客、そして審査員はどのように受け止めるのだろうか?

「東京国際映画祭特集」
http://blog.cinemacafe.net/tiff2007/
《シネマカフェ編集部》

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