築40年の安アパートの部屋の壁に突如として出現した2つの穴。その部屋に住む、小説家の真木栗勉(まきぐり べん)は、穴から毎日のように若い女が住む隣の部屋を覗き込み、その女の虜になっていくが…。山本亜紀子による異色のホラー小説「穴」を映画化した『真木栗ノ穴』。2日目を迎えた東京国際映画祭で、「日本映画・ある視点」部門に出品された本作の上映が行われ、舞台挨拶に主演の西島秀俊、粟田麗、木下あゆ美、そして監督を務めた深川栄洋が登壇した。主人公の真木栗を演じた西島さんは作品について「おとぎ話のような世界の中で、ダメなんだけどどこか魅力的な登場人物たちが一生懸命に生きています」と説明。さらに、西島さんは見どころとして映像についても言及し「カメラマンの高間(賢治)さんが素晴らしいお仕事をしてくださり、どこか湿気のある世界に仕上がっています。みなさん、この不思議な世界に一緒に入り込んでください。きっと感動していただけると思います」と呼びかけた。粟田さんは「観る人によっていろいろな解釈ができる、奥深い作品に仕上がったと思います。みなさんにどんな反応をしていただけるか、楽しみです」と自信をのぞかせるコメント。木下さんは「ポスターには“ホラー”とありますが、笑えるシーンもたくさんありますので、遠慮なく笑って、怖がるところは怖がって楽しんでいただきたいと思います」と笑顔で語りかけた。これが観客の前での初披露ということで、やや緊張した面持ちの深川監督。「映画を作るとき、私はいつも観る者の心に何かを残せたら、という思いで作っています。ぜひ楽しんでください」とシンプルながら思いのこもったコメントを残してくれた。“ある視点”という言葉がまさにぴったりな『真木栗ノ穴』は2008年春、劇場公開予定。「東京国際映画祭特集」http://blog.cinemacafe.net/tiff2007/
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