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【イマ旬!ハリレポ】現地目線!第91回アカデミー賞を大予想~主演女優賞は誰の手に?

アカデミー賞主要部門にあたる、主演女優賞レースが面白くなってきた。2月24日(米西海岸時間)の授賞式を目前に、オスカー像が誰の手に渡るのか分析してみた。

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第91回アカデミー賞主演女優賞ノミネート (C) Getty Images
第91回アカデミー賞主演女優賞ノミネート (C) Getty Images
  • 第91回アカデミー賞主演女優賞ノミネート (C) Getty Images
  • グレン・クローズ(『天才作家の妻 40年目の真実』) (C) Getty Images
  • 『天才作家の妻 40年目の真実』 (C) META FILM LONDON LIMITED 2017
  • オリヴィア・コールマン(『女王陛下のお気に入り』) (C) Getty Images
  • 『女王陛下のお気に入り』(C)2018 Twentieth Century Fox
  • ヤリツァ・アパリシオ(『ROMA/ローマ』) (C) Getty Images
  • 『ROMA』(原題) (C) Netflix
  • レディー・ガガ(『アリー/スター誕生』) (C) Getty Images
アカデミー賞主要部門にあたる、主演女優賞レースが面白くなってきた。2月24日(米西海岸時間)の授賞式を目前に、オスカー像が誰の手に渡るのか分析してみた。

アカデミー賞レース前半戦ではコノ女優が有力だった!?


『アリー/ スター誕生』(C)2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC『アリー/ スター誕生』
『アリー/ スター誕生』が公開された当初、アメリカではこの映画がアカデミー賞の主演男優賞(ブラッドリー・クーパー)・監督賞(ブラッドリー・クーパー)・歌曲賞(ブラッドリー&レディー・ガガ)、そして主演女優賞はレディー・ガガが受賞し、主要部門を総なめにするのではなどとささやかれていた。でも時間というものは面白いもので、味方にもなるが敵にもなりえる。

レディー・ガガ(『アリー/スター誕生』) (C) Getty Imagesレディー・ガガ
『アリー/スター誕生』の全米一般公開は10月5日だったのだが、主演女優賞候補のリストを見ると、グレン・クローズ『天才作家の妻 -40年目の真実-』以外は全てが10月5日以降に一般公開されている。公開当初は飛ばしていた『アリー/スター誕生』のレディー・ガガは、時間が経つにつれて他作品での競合女優たちに押され気味になる。

もうひとつアカデミー賞レースに大きな動きを与えるのものがある。映画スタジオが様々な映画協会の会員たちに発送する「云々賞への一票をよろしく!」という投票用試写DVD(最近はストリーミングも多くなっているが)である。それらの作品が、映画館で観る暇のなかった批評家や関係者たちの目に触れることになるからである。

『天才作家の妻 -40年目の真実-』のグレン・クローズ大浮上!


長年にわたり作家である夫(ジョナサン・プライス)に注がれる名声の陰で生きてきた妻(グレン・クローズ)。夫がノーベル文学賞を受賞したことで、彼女の中で何かが壊れ始めると同時に、長きにわたって封じ込めていた感情が芽吹き始める…。

『天才作家の妻 40年目の真実』 (C) META FILM LONDON LIMITED 2017『天才作家の妻 -40年目の真実-』
本作は予告編を見ただけでは分からないサスペンスが隠されている秀作だ。映画館で上映されたのを知らずに過ごした人も多いほど、ひっそりと公開されひっそりと去っていった。だが、関係者たちに試写DVDが配送され出したころから、「グレン・クローズの演技が素晴らしい!」という話を耳にするようになる。

去年、筆者も色々な映画を観てきたがグレン・クローズが本作で見せる静かで尚且つ力強い演技は、アカデミー賞常連のメリル・ストリープも舌を巻くほどで、ここ数年見た演技の中でも最高レベルといって過言ではない。グレン・クローズは、過去アカデミー助演・主演女優賞候補になること計7回。今年こそはグレン・クローズの番であってほしい。

グレン・クローズ(『天才作家の妻 40年目の真実』) (C) Getty Imagesグレン・クローズ

最後まで分からない主演女優賞デッドヒート!


メリッサ・マッカーシーはコメディ女優として知られていたが、実話を基にした『ある女流作家の罪と罰』(Can You Ever Forgive Me?/原題)では文書偽造で生計を立てていた人好きしない売れない女流作家を熱演した。メリッサにはこんな一面もあったのかと話題となり、アカデミー主演女優賞候補にも選ばれた。作品的には非常に上質で演技もピカイチだが、ほかの候補者と比べるとメリッサの演技はアカデミーが欲している重々しさに多少欠けている気が否めない。

メリッサ・マッカーシー(『Can You Ever Forgive Me』原題) (C) Getty Imagesメリッサ・マッカーシー
グレン・クローズの強敵となるのが12月21日アメリカ一般公開となった『女王陛下のお気に入り』オリヴィア・コールマン『ROMA/ローマ』ヤリツァ・アパリシオだ。

オリヴィア・コールマンはNetflixオリジナル「ザ・クラウン」の新シーズンでエリザベス2世を演じることが決まっており、これまでにもトム・ヒドルストン主演『ナイト・マネジャー』を始め、英国TVを中心に活躍してきた。

オリヴィア・コールマン(『女王陛下のお気に入り』) (C) Getty Imagesオリヴィア・コールマン
『女王陛下のお気に入り』では18世紀初頭イギリスを統治していた女王アンを演じ、てらいもなく全てをさらけ出したエキセントリックな怪演が話題となった。映画は女王アンを巡る2人の女侍従が女王の寵愛を得るための醜い女の争いをシビアかつ滑稽に描いたもので、ともするとオリヴィアのアン女王の役は助演扱いになっても良さそうな位置にある。しかしオリヴィアの演技を見れば彼女は主演女優の枠でなくてはならない理由が分かる。

『女王陛下のお気に入り』(C)2018 Twentieth Century Fox『女王陛下のお気に入り』
さて、『ROMA/ローマ』が公開されるまでは無名だったヤリツァ・アパリシオはダークホースである。本作の監督アルフォンソ・キュアロンの自叙伝的な内容と言われている本作は現代では大胆な手法と言われる白黒で撮影され、メキシコ・シティの裕福な家庭で家政婦として働く女性クレオ(ヤリツァ・アパリシオ)を中心にメキシコ社会における女性の立場に静かに焦点を当てた叙情的な人間ドラマだ。

『ROMA』(原題) (C) Netflix『ROMA/ローマ』
社会・人種多様性が特に叫ばれている現在において『ROMA/ローマ』は非常にタイムリーな存在となっており、ヤリツァもアカデミー史上初めて主演女優賞にノミネートされた純粋先住民の女優ということで話題になっている。ただ、姉の代わりに受けたオーディションでたまたま受かってしまったと言うヤリツァは、演技派というよりは自然と穏やかな演技で好演しているという印象で、人種のバックグラウンドやシンデレラ的なウラ話などで話題性としては高いが、彼女の演技だけにスポットライトを当てると果たしてオスカーの域に達しているかという疑問が浮上してくる。

ヤリツァ・アパリシオ(『ROMA/ローマ』) (C) Getty Imagesヤリツァ・アパリシオ
放送映画批評家協会賞ではグレン・クローズとレディー・ガガが主演女優賞を引き分けるというまれな結果だったが、先日行われたアカデミー賞前哨戦といわれる英国アカデミー賞(BAFTA)では見事オリヴィア・コールマンが主演女優賞を受賞した。彼女がイギリス出身という点も受賞理由に加味されていたとしたら、アメリカのアカデミー賞ではやはり御国許グレン・クローズが最有力候補なのかも…。授賞式の2月24日(日本時間25日)が待ち遠しい。(text:Akemi K. Tosto)
《Akemi Kozu Tosto/神津トスト明美》

映画プロデューサー・監督|MPA(全米映画協会)公認映画ライター Akemi Kozu Tosto/神津トスト明美

東京出身・ロサンゼルス在住・AKTピクチャーズ代表取締役。12歳で映画に魅せられハリウッド映画業界入りを独断で決定。日米欧のTV・映画製作に携わり、スピルバーグ、タランティーノといったハリウッド大物監督作品製作にも参加。自作のショート作品2本が全世界配給および全米TV放映を達成。現在は製作会社を立ち上げ、映画企画・製作に携わりつつ、暇をみては映画ライター業も継続中。

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