太宰と佐倉、印象的なそれぞれのセリフは…
――太宰は女性に対して懐の深い役ですが、こうした役は演じていて楽しいものでしたか?
小栗:うん、楽しくはやっていたけど、楽しい半分、しんどい半分みたいな感じでした。太宰はいろいろな人をある意味、裏切っている生活だけど、それを感じていない人物ではないので、どんどん彼の中に蓄積していくんですよね。役を通してやりながら生活しているのは、なかなかしんどいところだったりします。
――セリフでもまさに、太宰が佐倉に「何も感じていないと思っているのか」と詰め寄るシーンがありましたよね。
小栗:ありましたね!
成田:ああ、いいセリフですよね!
――印象に残るセリフがほかにも数多く出てきますが、おふたりが好きなセリフは何でしたか?
成田:好きとはちょっと違うけど、僕は「心の底から軽蔑します」というセリフです!
小栗:「心の底から軽蔑する」って…なかなかだよね!? いいセリフだよね。
成田:佐倉は太宰のことを本当に尊敬しているのに、そんな人に向かって言って、でもまだ愛し続けているんですよ。そんなこと、なかなかないし、いいですよね。結果、才能がすべてを上回ってしまっている、という。
小栗:そうだね。僕は太宰の衝撃的なセリフで言うと、予告でも流れている「大丈夫、君は僕が好きだよ」かな。
成田:タバコを吸いながら、キスして言うセリフですからね(笑)!
――小栗さんが演じる太宰だから、色気に翻弄されて、説得力のある言葉になりました。
小栗:いえいえ(笑)。なかなか言えるセリフじゃないですよね。結構乱暴な言葉だなと思いますけど、それが言えるあの人は、すごいですよね。
成田:すごいと思います。結構なことをかなり言っていますよ!