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瀬々敬久監督、佐藤健の起用理由明かす 釜山国際映画祭ティーチインに参加

佐藤健主演の現在公開中の映画『護られなかった者たちへ』が、昨日10月14日、「第26回釜山国際映画祭」A Window on Asian Cinema部門にて上映された。

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『護られなかった者たちへ』第26回釜山国際映画祭(C)Busan International Film Festival/2021映画『護られなかった者たちへ』製作委員会
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  • 『護られなかった者たちへ』(C)2021映画『護られなかった者たちへ』製作委員会
  • 『護られなかった者たちへ』(C)2021映画『護られなかった者たちへ』製作委員会
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佐藤健主演の現在公開中の映画『護られなかった者たちへ』が、昨日10月14日、「第26回釜山国際映画祭」A Window on Asian Cinema部門にて上映された。その後、ティーチインイベントが開催され、監督の瀬々敬久がオンラインで参加し、大いに盛り上がった。


>>『護られなかった者たちへ』あらすじ&キャストはこちらから

チケットは完売し、多くの観客が集まったこの日。本作は、中山七里の同名小説の映像化ということで、まずタイトルに惹かれたと、原作を読んだときの印象を語った瀬々監督は、「この映画では二つの不条理を描こうとしました。ひとつは社会制度の不条理、そしてもうひとつは人間が立ち向かうことのできない天災・震災、この2つの不条理。最終的には、その不条理に立ち向かう人間が愛する人たちと一緒に暮らしていこうとする姿、そうして未来を信じようとする姿を描こうと思い、この作品を撮影しました。コロナで大変な状況ですが、そういう状況もこの映画と似ているところもあると思います」と思いを明かす。

また現地の観客から、佐藤さん演じる利根がある人物に会うために公園を訪れるシーンにて、その一角で踊る女性の演出意図を尋ねられると、「佐藤さん(演じる利根)の『死んでいい人なんていないんだ』というセリフを、より記憶して頂けるように特徴的なシーンとしてを印象付ける意図がありました。また、大災害に対する祈りのようなイメージとして捉えてもらえないかなとも思いました」と答えつつ、「日本でも、あのシーンの意図を聞かれますが、映画というのは謎があった方が面白いと思います」と話していた。

主演の佐藤さんが演じる利根は、とある不可解な殺人事件で容疑者にあがる男。今回、佐藤さんを起用した理由について瀬々監督は「以前『8年越しの花嫁 奇跡の実話』という作品で佐藤さんに出てもらったことがありますが、その時の役は好青年で、その時に佐藤さんが『良い人をやるのは、実は辛いんです』と言っていたことを覚えています。その後佐藤さんは『ひとよ』で少しだけ悪い役を演じていて、“彼はこういう役もできるのか”と思い、今回お願いしました」と過去作をふり返る。

「僕が知っている日本の若手の俳優の中で一番クレバーだと思っています」と佐藤さんについて語った監督は、「映画の本質をキャッチして、その中で自分がどういう人物を演じればいいかを判断できます。脚本の段階から色々な話をして、一緒に映画を作ることができる素晴らしい俳優です。何より役を演じることにすごく熱心で、休憩中もこの利根という登場人物であろうとしていました」と今回の撮影での様子も伝えた。

さらに、ラストシーンへの思いを尋ねられた瀬々監督。「あのラストシーンの場所の付近に住んでいる方は、高い防潮堤ができて、海を見ることができなくなりました。ある人たちにとっては、海は見たくないものかもしれません。ただ、映画の最後で“海を見る”ということで、劇中の事件を違った角度で見ることができたのではないかと思います。憎しみの海ではなくて、“海の向こうに愛する人がいる“そんな海に見えたかもしれません。そこでの『ありがとう』というセリフが重要な意味を持っていると思います。和解して、未来に向かって生きようとする姿だと思って、このラストシーンをつくりました」と語った。

そして、作品に込めたメッセージについて質問されると、「ひとつは震災の避難所で利根、けいさん、カンちゃんという3人が出会って、疑似家族を築きます。どんな状況においても、人間は人間らしく生きようとする、前向きなメッセージを伝えようとしました。ただ、そういう人達を助けてあげることのできない社会制度、そういうものに対して声をあげることの大切さ、人と人がつながって生きていくことの大切さも訴えようと思って作った作品です」と丁寧に答えた。

『護られなかった者たちへ』は全国にて公開中。

《シネマカフェ編集部》

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