俳優のチュ・サンウクは、SBSドラマ『エージェント・キム: リアクティべーティッド』(Netflixで日本配信中)で、元用心棒のヤクザから絶対的権力者へとのし上がった「チュハク建設」の会長チュ・ガンチャン役を熱演中だ。
【写真】『エージェント・キム』で悪役を好演中のチュ・サンウク、鍛え上げられた腹筋を大公開
デビュー以来、最も大胆なイメージチェンジとなる怪演を披露し、視聴者に大きな衝撃を与えている。
強烈な初登場で視聴者を圧倒
チュ・ガンチャンの初登場は、わずか数分でその人物の危険性を強烈に印象づけた。
重要な事業を前に、国会議員シム議員(演者キム・ギョンリョン)と浴場で2人きりになったチュ・ガンチャン。全身を覆う火傷の痕を見たシム議員が理由を尋ねると、ガンチャンは「事業を始めてから後悔するようになりましてね。娘にも恥ずかしかったんです。だから、自分でトーチで焼き消しました」と淡々と答え、その場の空気を一瞬で凍りつかせた。
チュ・サンウクは、終始穏やかな表情と何気ない口調だけで、自らの体に傷を刻んだ男の狂気を見事に表現。“トーチで刺青を焼き消したサイコパス”という強烈なキャラクターの登場を鮮烈に印象づけた。

緊張感を一気に高めた、ソ・ジソブとの対面
娘の事故の知らせを受けたガンチャンは、娘ヘリ(演者ユ・ジアン)の学校を訪れ、同じクラスの保護者であるキム部長(演者ソ・ジソブ)と初めて対面した。
彼は「同じ娘を育てる親としての気持ちです。娘を育てるのは簡単じゃないですよね?」と相手を気遣うような態度を見せたが、直後に校長へ向かって「もう一度こんなことが起きたら、その時は学校も、あなたたちもなくなると思ってください」と冷たく警告した。
声を荒らげることも、感情をむき出しにすることもなかった。しかし、落ち着いた口調と優しい笑顔の裏に込められた一言は、かえって大きな圧力を感じさせた。
笑顔のまま相手を追い詰めるガンチャン独特のやり方は、今後繰り広げられる彼の悪行を予感させ、ドラマの緊張感をさらに高めた。
容赦のない、チュ・ガンチャンの狂気
ガンチャンの過去は、彼の本性をより鮮明に描き出していた。かつて解体業(雇われ暴力団)時代に悪縁で結ばれていた“金歯”(演者チョ・ボクレ)の歯を、すべて抜き取ってしまった事実が明らかになったのだ。彼は自分に歯向かう金歯を容赦なく踏みにじり、支配と恐怖によって相手を屈服させる人物であることを如実に表した。
相手が言うことを聞かなければ歯まで容赦なく引き抜いてしまうガンチャンの残酷さは、見る者を驚愕させた。チュ・サンウク自身も、このシーンがキャラクターを最もよく説明する重要な場面だと捉えて演じたという。
娘に向けられた“歪んだ父性愛”
娘に向けられたガンチャンの歪んだ父性愛もまた、強烈なインパクトを残した。娘のヘリがミンジ(演者ソ・スミン)を手にかけたことを知った彼は、「そんなに殺したかったのなら、パパに殺してくれと言えばよかっただろう。私がその程度のことすらしてやれないと思うか?」と言い放ち、娘の頬を叩いた。
しかし、その直後に娘を抱きしめ、「お前が望むことで、私が叶えてやらなかったことがあるか? 大したことじゃない。死んだのは確認したか?」と優しく囁いたのだった。
父性愛という名目のもと、殺人さえも何事もなかったかのように消し去ってしまうソシオパス(社会病質者)の二面性を、完璧なポーカーフェイスで消化したチュ・サンウクの名演であった。

暴力そのものではなく、心理で執拗に追い詰める
ガンチャンの恐怖は、暴力そのものではなく心理戦によって完成された。
自分の支配下に置いたミンジと対峙した彼は、記憶を失ったふりをするミンジの演技を一瞬で見抜いた。優しい口調で近づきながらも、「まだ学生だからなのか、感情を隠すのが下手だな。記憶を失ったふりをするのも下手だ」と淡々と言い放ち、相手を執拗に追い詰めていった。
一言一言がむしろ大きなサスペンスを生み出し、視聴者の背筋を凍らせた。特に「キム・ミンジさんだけ、この世から消えればいいんだな」というセリフは、娘を守るためなら他人の命さえもためらわず犠牲にしようとする残酷な一面を浮き彫りにした。
愛という名のもとですべての罪を正当化する歪んだ父性愛、そして殺人すらも正しいと信じる危険な思想。ガンチャンという人物は、チュ・サンウクの演技によってより一層恐ろしい悪役として視聴者の記憶に刻まれた。

チュ・サンウクは、金や暴力、権力を振りかざす典型的な悪役を超え、平凡な表情の裏に狂気を隠した立体的な悪人を完成させた。
怒りをあらわにしなくても背筋が凍るような雰囲気を漂わせ、大声を張り上げなくても圧倒的な威圧感を生み出す抑制された演技が、チュ・ガンチャンならではの恐怖をさらに際立たせた。
残りの放送回で、チュ・サンウクが今度はどのような顔を見せ、視聴者を圧倒するのか期待が高まっている。
チュ・サンウクは「チュ・ガンチャンがキム部長を打ち破るために、どこまで残酷になれるのか。これまでとはまた違ったガンチャンの姿をご覧いただけると思います。最後までたくさんの愛をお願いします」と語った。
(記事提供=OSEN)
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