英人パーカーはアフリカで行商していたが彼はある野心を抱いていた。象は自ら死期を悟ると人間世界から隔離した秘密境に姿を隠すという話を聞いてその所在と探し求めていたそこには豊富に象牙がある筈であるからである。彼は友人のホルトに計り、いよいよこの秘密境を探検に出発のその前夜、都会の喧騒に厭きたパーカーの娘ジェーンは学校を素都合するや、父を慕って若い女の身空に海路はるばるやってきた。父のパーカーは大いに当惑したが娘の熱意に動かされて彼女も同行を許されることになった。一行は種々の困難や危険に遭遇した。端しなくも一原住民の生命の犠牲により秘密境の方向を知り行を急いだ。断崖絶壁の上こそ問題の場所なのである。また一行は樹間を跳び廻っている大猿の群の中に偉大なる体格の白人を発見した。彼はそこの森林を巣窟とする類人猿ターザンであった。
W・S・ヴァン・ダイク