「真珠夫人」、「父帰る」のベストセラー作家・菊池寛の私設秘書になった葉子。社長室では菊池が帯をずり落としそうにしており、「モダン日本」編集部では朝鮮の貴族出身の美青年・馬海松が彼女を挑発してくる。葉子の心に、2人の男の思いが入り込んでくる――。猪瀬直樹の小説「こころの王国」を原作に、文芸ジャーナリズムの基礎を築いた作家・菊池寛にスポットを当てた物語。女性秘書と朝鮮半島出身の青年との関係を通して、彼の人生を描く。
cocoレビューを見る高橋伴明
死刑執行の際、死刑囚の身体を支える「支え役」を務めた刑務官には1週間の休暇が与えられる。結婚を間近に控えた刑務官の平井は、新婚旅行の休暇を手に入れるため、自ら支え役に志願するのだが…。吉村昭の短編小説を原作に、死刑執行の立会いと自身の結婚を通じて、生と死に向き合う刑務官の姿を描いた『休暇』。本作で死刑囚の金田を演じたのは、近年話題作への出演が続く西島秀俊。死刑という重いテーマを扱った本作について西島さんに話を聞いた。
数年前に昼ドラとして注目を浴びた「真珠夫人」の作家であり、文藝春秋社を創設した実業家であり、芥川賞や直木賞の設立者でもある菊池寛。この『丘を越えて』は、サラリーマンの誕生、地下鉄の開通、自動車や洋服の登場…といった大衆文化が開花した昭和初期を舞台に、菊池寛をとりまく人々を描いた文芸作だ。
髪を切る、染める。あるいはパーマをかける。スーツを脱いで、デニムに足を通す。日常的にあるこんな“変化”は、その人のイメージをガラリと変えるものですが、この時代に起きた変化の数々に比べれば、さほど大きなものではないに違いありません。日本髪をボブに切りそろえ、和服から洋装へと着替え始めた人々の、心の変化はいったいどんなものだったのでしょう。