ゴダールの二番目の妻となるアンヌ・ヴィアゼムスキーを初めて起用し、夏のヴァカンスの最中にアパルトマンに集って毛沢東主義をはじめとする新左翼の思潮について勉強会をする若者たちの生態を描いた本作は、戯画的なフィクションでありながら、テロリズムによる暴力の是非をめぐる不穏な議論が真剣に交わされるなど、凡百のドキュメントにも増して当時の雰囲気をよく伝えている。ときに翌 68 年の五月革命を予見したと言われる作品。
ジャン=リュック・ゴダール