ヤーコブは、オランダの貴族で大富豪のひとり息子。広大な敷地にあるお城に住み、アストン・マーチンなど高級車を何台も所有しているが、一 切感情を持ったことがないため、楽しみを感じない人生に嫌気がさしている。母親の葬式を済ませた後に自殺を試みるが、常に邪魔が入り自殺に 成功できない。 そんな時、偶然拾ったマッチ箱に記された謎の『代理店』をベルギーまで訪ねてみると、その店は“最終目的地への特別な旅”のプ ランを提案するという奇妙な旅行代理店だった。それは“あの世”への旅であり、事故に見せかけた自殺ほう助を行うサービスを提供していたのだ。 ヤーコブは喜んでそのサービスを依頼する事にする。申し込んだのは【いつ、どこで、どうやって死ぬか分からない“サプライズ”コース】。すっき りした気持ちで棺桶を物色中、同じコースを申し込んだというアンネと出会い、澱んでいたヤーコブの日々が、少しずつ色づきはじめるが、人生 最後の“サプライズ”までのカウントダウンは確実に近づいている。もう少し生きていたくなったヤーコブとアンネは、謎の代理店の激しい追跡 をかわしながら逃避行の旅に出る。そして、さらに思いもよらない最大のサプライズが、二人を待ち受けているのだった...!
マイク・ファン・ディム