一月一日早朝、電話が鳴る。マーフィーは目覚め、傍には若い妻と二歳の子供。彼は留守番電話を聞く。エレクトラの母だ。心労で声がやつれ、娘から連絡はなかったか知りたがっている。エレクトラはずっと行方不明なのだ。母は、娘に何かあったのではないかと心配している。いつまでも雨のやまない一日、マーフィーはアパートにいて、彼の生涯最大の愛を思い返す。エレクトラとの二年間を。いつまでも続くはずだった、駆け引きに満ち、時に行き過ぎた、過ちだらけの、焼けつくような情熱の日々を…。
cocoレビューを見るギャスパー・ノエ