ジョージア(グルジア)の南西部、トルコとの国境を接するアチャラ地方の山深い村が舞台である。村には人々の心身の傷を癒してきた聖なる泉があり、先祖代々、泉を守り、水による治療を司ってきた家族がいた。儀礼を行う父親は老い、三人の息子はそれぞれ、生きる道が異なっていた。そして父親は一家の使命を娘のツィナメ(愛称ナメ)に継がせようとしていた。その宿命に思い悩むナメ。一方で川の上流に水力発電所が建設され、少しずつ、山の水に影響を及ぼしていた。そして父とナメは泉の変化に気づくのだった…。
ザザ・ハルヴァシ