ベルリンの不動産会社で大規模な建築プロジェクトを手がけているカールの人生は、ある日突然一変した。月曜日の朝、娘ヨゼフィーネと息子マリウスを車の後部座席に乗せ、学校に送り届けようとしている最中、正体不明の男から脅迫電話を受けたのだ。その脅迫者はカールらが座席を離れると爆発する特殊な爆弾を車に仕掛け、巨額のカネを支払うよう要求してくる。同じ犯人に脅迫されていた上司とその妻が無残にも爆死したのを目の当たりにしたカールは、やむなく理不尽な要求に従おうとするが、マリウスが上司の車の爆発の際に破片を浴びて重傷を負った揚げ句、広場で警官隊に包囲されてしまう。しかも捜査の指揮を執るドラッヘ警部は、不仲の妻への復讐に走ったカールが子供たちを人質にとり、破れかぶれの行動に走ったと断定していた。やがて爆弾処理班が到着し、現場周辺に狙撃部隊も配置されるなか、もはや八方塞がりのカールの前に、大胆にも脅迫者が姿を現すのだった…。
クリスティアン・アルバルト