ベトナムの戦場へ向かう米軍戦車を一般市民が阻止した事件の真実に迫るドキュメンタリー映画。ベトナム戦争終盤を迎えていた1972年、アメリカ軍は破損した戦車を神奈川県相模原市の相模総合補給廠で修理し、再び戦地に送るべく横浜ノースドックへ輸送していた。「戦争に加担するなんて許せない!」と憤った市民 がノースドック手前で座り込みを敢行。戦車の輸送は断念された。それをきっかけに、相模総合補給廠の前にはテントが立ち並び、およそ100日間におよぶ抗議活動がはじまった。映画は、座り込みに参加していた者から彼らを排除する側まであらゆる当事者、さらには専門家など総勢54人の証言によって、この日本現代史上希に見る政治闘争の顛末を明らかにする。
辻豊史
泉谷しげる