トランスジェンダー女性の新谷ひかりは、ときに周囲の人々とのあいだに言いようのない壁を感じながらも、友人で同じくトランス女性の千秋をはじめ上司である中山や同僚の辻ら理解者に恵まれ、会社員として働きながら東京で一人暮らしをしている。ある日、出張で故郷の街へと出向くことが決まる。ふとよぎる過去の記憶。ひかりは、高校時代に同級生だった久田敬に、いまの自分の姿を見てほしいと考え、勇気をふり絞って連絡をするのだが――。 詩人・文月悠光の「片袖の魚」(詩集「わたしたちの猫」/ナナロク社/2016刊に収録)を原案とした映画。
東海林毅