夫との生活に嫌気がさし、離婚を決意した東要は日本を飛び出し、兄の輝夫が住む韓国の別荘へと足を向けた。突然妹が来たことに驚く輝夫だったが、夫のだらしなさを聞き傷がいえるまで共に韓国で過ごすこととする。 しかしそれは悪夢の幕明けだった。2人は知らず知らずのうちに巨木と井戸が目印の名もなき聖地・「聖地X」に足を踏み入れていた。そこに入った者は精神を病み常軌を逸して、奇妙な死を遂げていく。有能な祈祷師が祓いを試みるも太刀打ちできず、悪夢はひたすら続く。輝夫と要たちはこの「聖地X」で起こる数々の惨劇から逃れ、忌々しい土地に根付く「約束された死」から解放されることはできるのだろうか――。
入江悠
入江悠