沖縄本土復帰50年記念ドキュメンタリー映画。10代の少女たちで編成されたひめゆり学徒。沖縄戦で看護学徒として動員されたのは、ひめゆりだけではない。沖縄県立第二高等女学校の4年生56名の生徒から編成された白梅学徒もその一つ。たった18日間の看護教育を受けただけで八重瀬岳にある第一野戦病院に配属。負傷兵は治療するよりも腕や足をノコギリで切り落とすしかないことが多かった。そんな手術の手伝いをしたのが10代の女子、白梅学徒たち。兵士の傷口に湧いたウジを取る。ズボンに溜まった何日分もの糞尿の処理。やがて病院壕にも米軍が迫り、歩けない兵士たちを医師たちが薬で毒殺。学徒たちも米軍の攻撃にさらされて命を散らしていく。今も健在で取材が可能な白梅学徒はごく僅か。90代の中山きくさんと、武村豊さんが当時の状況をリアルに語る。 その証言をもとにドラマ部分を制作。ドキュメンタリーと再現ドラマにより、沖縄戦とは何であったか、多くの日本人が知らない白梅学徒という存在、戦争の悲しさを伝える。
松村克弥
太田隆文