江戸時代から続く栃木県の伝統工芸・小砂(こさいご)焼の窯元の息子として生まれた向井虎(たける)は、冒険小説家になる夢を抱き、親の反対を押し切って高校卒業と同時に上京。しかし現実は甘くはなく、落選と肉体労働に追われる日々に疲れ果て、夢をあきらめ故郷に戻る決意をする。15年ぶりに戻った故郷で、疎遠になっていた旧友や勘当された父親と再会した虎。ある親子にも出会い、全てがうまくゆかにずに本音をさらけ出すことができない虎は、ある嘘をつく。
冨田航