川崎で起きた児童連続誘拐殺人事件。“バッドマン”を名乗る犯人はテレビを使って世間を挑発し、3件目を最後に表舞台から姿を消す。半年後、捜査に行き詰った警察が打ち出したのは捜査官をテレビに出演させ、犯人をもう一度表舞台に引きずり出す、という大胆極まりないものだった。そこで呼ばれた男の名は巻島史彦(豊川悦司)。6年前に同様の事件を指揮し、人質を殺され、犯人を取り逃がし、挙句に続く会見で醜態をさらした男だった。メディアの怖さを誰より知る男がテレビを舞台にいま一度、誘拐犯と対峙する。雫井脩介の傑作ミステリーの映画化。
瀧本智行