2007年の賞レース、有力候補の顔ぶれは? vol.4 『クィーン』の威厳で主演女優賞を一歩リード?“女王”ヘレン・ミレン

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いよいよ現地時間の2月25日。開催まで1ヶ月をきったアカデミー賞授賞式。発表までに、少しでも候補作&候補者を観ておこうと、ひとりオスカー週間を実施している私。先日は第79回アカデミー賞で6部門(作品賞、監督賞、主演女優賞、脚本賞、衣装デザイン賞、作曲賞)にノミネートされている話題の作品『クィーン』を観てみました。この作品は、ダイアナ妃の事故死によって、批判が高まるエリザベス女王の心の動きを繊細かつ威厳たっぷりに捉えた作品。世界中が涙し、衝撃を受けていた“その時”、英国王室内部はどんな様子だったのか。

誰もが知りたい秘密を映し出し、覗き見趣味的な部分を十分満足させてくれながら、単なるゴシップ的作品にとどめずに壮大なる人間ドラマに仕立てているところが、さすがはスティーヴン・フリアーズ。すべてを国と国民に捧げ、自分は二の次、三の次(もしかしたら、自分は無かも…)という君主の姿、そして平民には計り知れない苦悩と葛藤を、あくまでも特異な境遇にあるひとりの人間のドラマとして威風堂々と描きます。

それにしても、ヘレン・ミレンは素晴らしい。現君主であるエリザベス女王を、物まねした人は大勢いたでしょうが、“真似”を超えてここまで深く演じきった人はいないはず。このプロジェクトに参加するには、相当の勇気と覚悟が必要だったことでしょう。観るまでは、こんなテーマで映画を作って本当に大丈夫なのかと、他人ごとながら心配したものですが、いえいえどうして。変な例えではありますが、もし私がエリザベス女王だったなら、この作品を最高の賛辞だと受け止めることでしょう。

女王が決して人前では見せてこなかった人間らしい一面に親しみを感じると共に、強靭な精神をもひしひしと感じる。そして最後には、なぜ英国民が彼女にひざまずくのか、その意味がわかったような気が。『エリザベス』に匹敵する傑作としてもお勧めです。少なくとも、「エリザベス女王なんて、とんだ食わせもなのではないか」とダイアナの事故以来考えてきた人たちには、新しい見解を提案してくれる映画になるはずです。

そんな風に社会的な影響力も大きい映画であること、観る人々を圧倒するまでの威厳の中に人間エリザベスの姿を静かににじませるそのパワフルな演技力、そして、現君主を演じるという俳優としての肝っ玉を考えると、やや一歩リードかも、ヘレン・ミレン。

《text:cinemacafe.net》

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