【MOVIEブログ】2020年ベルリン映画祭 Day5

24日、月曜日。本日の予報も雨。本日から9時にコンペ部門作品のマスコミ試写があるので(マーケットパスでも入れる)、フランス映画『Delete History』(写真)でスタート。

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24日、月曜日。本日の予報も雨。

本日から9時にコンペ部門作品のマスコミ試写があるので(マーケットパスでも入れる)、フランス映画『Delete History』(写真)でスタート。

これがもう滅法面白い。郊外の住宅地に暮らす3名の中年男女の生活を描くコメディで、彼らは経済的弱者でネットビジネスから細かく搾取されており、気づいた時には大量の借金を抱えてしまっている。しかし、ネットやスマホ無しの生活はもはや不可能。それぞれ家族の問題もあり、ストレスは溜まっていく一方。やがて遂に堪忍袋の緒が切れ、3人は立ち上がる!

もう、現代社会を生きる大人であれば誰もが身につまされながら爆笑すること必至の見事な脚本。フランスの名優たちやセレブが驚きのカメオ出演で盛り上げ、そしてまさにユニバーサルな主題を持つ。

主人公たちが「黄色いベスト」デモの参加経験者たちであることがほのめかされ、フランスの労働者たちの闘いの果ての厳しい現実を反映している。現実の苦境をコメディで語る、その鮮やかさといったら!

こういう作品がコンペに入っているのは素晴らしい。上映後には大拍手で、マスコミからも大歓迎を持って迎えられたことが肌で感じられて嬉しい。

続いて、12時からもコンペの試写で、スイスの『My Little Sister』という作品へ。ガンを患うシェイクスピア俳優の兄と、彼に付き添う文筆家の妹の物語で、妹は家庭の問題も抱えている…。ニーナ・ホスとラース・アイディンガーの兄妹の演技は一定の見応えはあるものの、脚本に特筆すべき点はなく、演出もオーソドックスで、これはドイツ語圏のマーケティング用なのかな、という印象。

上映終わり、14時から17時までミーティング。

17時に上映に戻り、「エンカウンター部門」のスロヴァキアの作品『Servants』へ。70年代のチェコスロバキア時代、神学校の生徒たちが国の体制に反旗を翻そうとする物語。極めてアート純度の高い作品で、例年であれば「フォーラム部門」にピックアップされていそうなテイスト。「エンカウンター部門」と「フォーラム部門」がいかにお互いを差別化できるかが、来年のベルリンの課題になっていくかもしれない。

上映が終わって外に出ると、またもや雨…。こんなに雨続きのベルリンは本当に初めてだ。

今晩は会食をハシゴすることに決めていたので、まずは韓国の映画祭の友人たちとベトナム料理店で合流し、お互いに近況報告をし合う。それぞれの悩みを打ち明け合って、なんだか楽になったな。

20時半に移動し、日本の映画業界の人々が集まる夕食会に合流し、情報交換。

その後にもう一件、顔を出したい会合があったのだけれど、ちょっと疲れてしまい、ホテルに帰還。今日のブログは手抜きになってしまったけれど、今日は0時前に寝られそう。明日からの後半戦に体力を温存しなくては!
《矢田部吉彦》

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