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『エンドロールのつづき』と『フェイブルマンズ』の共通点とは? “映画についての映画”が公開相次ぐ理由

『エンドロールのつづき』のパン・ナリン監督が、スティーヴン・スピルバーグ監督の『フェイブルマンズ』との共通点を語った。「映画についての映画」がいま増えている理由とは?

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『エンドロールのつづき』 ©2022. CHHELLO SHOW LLP
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  • 『エンドロールのつづき』パン・ナリン監督  ©2022. CHHELLO SHOW LLP
  • 『エンドロールのつづき』ALL RIGHTS RESERVED ©2022. CHHELLO SHOW LLP
  • 『エンドロールのつづき』 ©2022. CHHELLO SHOW LLP
  • 『エンドロールのつづき』ALL RIGHTS RESERVED ©2022. CHHELLO SHOW LLP
  • 『フェイブルマンズ』© 2022 Universal Pictures. ALL RIGHTS RESERVED.
  • 『フェイブルマンズ』© 2022 Universal Pictures. ALL RIGHTS RESERVED.
  • 『フェイブルマンズ』ポスター © Storyteller Distribution Co., LLC. All Rights Reserved.

インドのチャイ売りの少年が映画と出会い、やがて世界で活躍する映画監督になる。パン・ナリン監督自身の驚くべき物語を映画化した『エンドロールのつづき』は、トライベッカ映画祭ほか5つの観客賞を受賞し、さらにバリャドリード国際映画祭では最高賞にあたるゴールデンスパイク賞をインド映画として初めて受賞。世界中の映画祭から喝采を浴びた本作は、日本でも大きな話題となった『RRR』などを抑え、第95回アカデミー賞インド代表作品(国際長編映画賞)にも選ばれた。

パン・ナリン監督は、本作とスティーヴン・スピルバーグ監督のアカデミー賞7部門ノミネート作『フェイブルマンズ』について米メディア「TheWrap」で言及している。『フェイブルマンズ』と『エンドロールのつづき』には“映画の魅力に惚れ込んだ監督の自伝的物語”という大きな共通点がある。幼少時代に映画から受けた影響や家族の反応などがリアルに描かれ、多くの観客に感動を与えている。

『エンドロールのつづき』パン・ナリン監督

ナリン監督は「キャストとスタッフ全員で『フェイブルマンズ』を見に行ったのですが、映画が始まると、少なくとも30回は『そんなことありえるの?』と顔を見合わせました」と『フェイブルマンズ』を観たときの驚きを明かす。

主人公の名前もサミーとサマイ。少年が持つ仲間たち。支えてくれる母と反対する父、さらには電車への共通のこだわりなど、『フェイブルマンズ』と『エンドロールのつづき』には類似点が多い。「映画人は皆、同じようなことを考えているのだと驚きました」とナリン監督は言う。

『フェイブルマンズ』© 2022 Universal Pictures. ALL RIGHTS RESERVED.

さらに監督が自分自身の物語を紡ぎながら、映画そのものを称賛する「映画についての映画」の公開も相次いでいる。サム・メンデス監督の『エンパイア・オブ・ライト』、そしてデイミアン・チャゼル監督の『バビロン』なども映画を称え、映画が辿る時代の変化を描いている。

なぜいま、自伝的な映画、そして映画の魅力について語られる作品が製作されているのだろうか。ナリン監督は「なぜ私は映画を撮っているのだろう? その理由は何だったのだろう? いつから映画が好きになったのだろうとコロナ禍で内省し、物語を探し始めた」と語っている。

『エンドロールのつづき』

パンデミックが始まり、世界中の映画館は封鎖され、映画鑑賞の終焉を予言する悲観的な声まで生まれた中、スピルバーグは「コロナ禍がきっかけで、このことを書こうと思った」と語り、サム・メンデス監督も「ロックダウンは、私たち全員にとって、強烈な自己検討と反省の期間だった」と述べている(「Variety」より)。

あと1本しか映画を作れないとしたら、自分は何を描きたいのか? 人生と仕事の集大成は何だろう? 映画作家としてその1つの答えが「映画についての映画」を製作することなのかもしれない。

最後にナリン監督は、「『エンドロールのつづき』は『映画へのラブレター』であり、スタンリー・キューブリックのような偉大な映画人に捧げるものだ。映画を通して自分がある。これは彼らにオマージュを捧げる唯一のチャンスかもしれない」と締めくくる。映画人が“映画”への溢れんばかりの愛情を込めて製作した、日本公開が相次ぐ4本を紹介する。


『エンドロールのつづき』公開中


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“映画”への溢れんばかりの愛情を込めて本作を監督したのは、インド出身でいまや国を超えて活躍するパン・ナリン。リュミエール兄弟、スタンリー・キューブリックなど、監督が敬愛する巨匠たちへのオマージュがちりばめられ、自らの才能で未来を照らす光を追い続ける少年の姿に、誰もが無邪気な幼少期を思い出すような、幸せで希望あふれる物語が誕生した。

大きな夢を抱く主人公、チャイ売りの少年サマイ役には3,000人の中から選ばれた新たな才能、バヴィン・ラバリ。観客が一体となった映画館、スパイスたっぷりの手料理、陽気な音楽とダンス…どこか懐かしいインドの魅力が満載。

本作では監督自身の故郷であるグジャラート州でのロケを敢行し、大自然の音や光の撮影方法にこだわり、映画は映画館でしか観られなかった時代のゆったりとした時間の流れや、幼い頃の飽くなき探求心を美しい映像で表現した。サマイの仲間たちを演じた愛嬌溢れる子役たちも全員グジャラート州出身であることにこだわり、監督の幼少期の思い出が詰まった故郷の、独特な雰囲気や風情を見事に再現した。


『バビロン』2月10日(金)公開


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『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼル監督最新作の舞台は、ゴージャスでクレイジーなハリウッド黄金時代。豪華なファッションに、ド派手なパーティ、規格外の映画撮影に、熱狂的なジャズミュージックが観る者の感性を刺激する。

ブラッド・ピット、マーゴット・ロビー、ディエゴ・カルバらをキャストに迎え、激動のハリウッドで夢を叶えようとする男女を演じる。


『エンパイア・オブ・ライト』2月23日(木・祝)公開


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現代映画界&演劇界が誇る名匠サム・メンデス監督が満を持して、5度アカデミー賞作品賞を世に送り出したサーチライト・ピクチャーズとタッグを組んだ最新作。舞台は1980年、イギリス南岸の静かなリゾート地。本作はそこに生きる人々の絆と“映画と映画館という魔法”を力強く描く。

メンデス監督が、地元の映画館エンパイア劇場で働く主人公にオリヴィア・コールマン、撮影監督にロジャー・ディーキンスなどアカデミー賞受賞の最高の才能とともに贈る奇跡のストーリー。


『フェイブルマンズ』3月3日(金)公開


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人生の出来事、その1つ1つが映画になった。「この物語を語らずに自分のキャリアを終えるなんて、想像すらできない」と、50年にわたるキャリアの中で、『ジョーズ』から『E.T.』『ジュラシック・パーク』まで、史上最も愛され、変幻自在なフィルモグラフィを世界に送り出してきたスティーヴン・スピルバーグが“映画監督”になる夢を叶えた自身の原体験を描く。

初めて映画館を訪れて以来、映画に夢中になったサミー・フェイブルマン少年。そんなサミーを芸術家の母は応援するが、科学者の父は不真面目な趣味だと考えていた。そんな中、一家は西部へと引っ越し、そこでの様々な出来事がサミーの未来を変えていく――。

『エンドロールのつづき』は新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネリーブル池袋ほか全国にて公開中。

《シネマカフェ編集部》

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