赤い館村に引っ越してきた主人公メアリは、森で7年に一度しか咲かない不思議な花<夜間飛行>を見つける。それはかつて、魔女の国から盗み出された、禁断の“魔女の花”だった。一夜限りの不思議な力を手にいれたメアリは、雲海にそびえ立つ魔法世界の最高学府“エンドア大学”への入学を許可されるが、メアリがついた、たったひとつの嘘が、やがて大切な人を巻き込んだ大事件を引き起こしていく。メアリは、魔女の国から逃れるため「呪文の神髄」を手に入れて、全ての魔法を終わらせようとする。しかしそのとき、メアリは全ての力を失ってしまう――。しだいに明らかになる“魔女の花”の正体。メアリに残されたのは1本のホウキと、小さな約束。魔法渦巻く世の中で、ひとりの無力な人間・メアリが暗闇の先に見出した希望とは何だったのか。
米林宏昌