フランスの山間の人里離れた町で、吹雪の夜にある女性が失踪し、殺された。疑われたのは農夫・ジョセフ。ジョセフと不倫するアリス。そしてアリスの夫・ミシェル。そう、我々はまだ知らない…。たったひとつの「偶然」が連鎖し、悪意なき人間が殺人者になることを。この失踪事件を軸にして、5人の男女がリアルタイムで繋がっていることが紐解かれていき、壮大なミステリーに絡んでいた事実が次第に明らかになっていく…。フランスの雪深い山間の田舎で起きた事件は、遠くアフリカのコートジボワールと繋がっていたのだった。偶然は奇跡にもなり得るが、絶望にもなり得る。幾重にも重なる「偶然」という「必然」を目の当たりにし、私たちは”神の目”で人間の本能、滑稽さ、そして運命の危うさの一部始終を目撃することになる。
ドミニク・モル