主水の襲撃に恐れをなした一角は、岩牢から嘉門を連れ出して華の島に逃亡した。そこには奇しくも、戸がくれ老人に介抱された小四郎がおり、白鳥党の子孫であるという出生の秘密を知って“されこうべ党”を討つ決意を新たに浮寝島へ渡る。一方、久美は山中をさ迷っているところを山賊に襲われるが、またも風小僧に救われる。那智の浜にいた幾重とかえでも浮寝島に渡ろうとするが、黒刀自の計略にはまり、危うく毒薬を飲まされそうになる。それを邪魔した浮寝丸にも危機が迫るが、主水が救った。“されこうべ党”の本拠であるギャマン屋敷に迫る小四郎は、初めて浮寝丸と出会うが、黒刀自の呪いを込めた雷鳴に打たれた浮寝丸が突如、形相一変して悪鬼の姿となり、意外にも小四郎に襲いかかってきた。
萩原遼