辻仁成の最新作にアントニオ猪木主演！　高齢化社会に闘魂注入！

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2008.6.17 Tue 15:45

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辻仁成5年ぶりの新作で主演に抜擢されたのは、65歳にしていまなお衰えぬ闘志を燃やし続けるあの男！　6月16日（月）、映画『アカシアの花の咲きだすころ −ACACIA−』の製作発表記者会見が行われ、監督・脚本の辻さんを始め、本作で映画初主演を果たすアントニオ猪木、共演の石田えり、北村一輝、林凌雅が出席した。

猪木さんはマイクを握ると「爺さんですかー!!」と絶叫。そう、本作で猪木さんが演じるのは、72歳の孤独な老人。映画初主演の感想を聞いてみると「“辻斬り”に遭ったような気持ちです（笑）。切れ味はどんなものかと試されているような感じ」と分かるような分からないような返答が。「辻さんから初めてお話をいただいたときは『この人は何を考えているのかね？』と思いました」とふり返る猪木さん。辻さんは「バーで向かい合って『お願いします』って言ったら、カッとすごい目つきでにらまれました。でも、ここで逃げたら絶対に引き受けてもらえないな、と思って5分間くらい黙って目を見てました。そうしたら『男に二言はない』と言って引き受けてくださったんです」と“攻防”の一部始終を語ってくれた。猪木さんが、照れくさそうに「まあ、おだてりゃ猪木もなんとやら…ってやつですよ。ラブシーンがなくて残念です。あれば地で行くんだけど（笑）」と語ると、隣の石田さんが大爆笑。ちなみに、プロレス技を披露するシーンもあるとのことなので、こちらも要チェックだ。

猪木さん扮する老人と心を通わせる少年を演じる林くんは「猪木さんはすごく強いです。体ごと突っ込んでいってもすぐにひっくり返されちゃうんです。僕は“闘い”が大好きなので、猪木さんと会えて嬉しかったです」と語ってくれた。

石田さんは老人の元妻を演じるが「私が一緒にお芝居をするのは猪木さんと林くんだけなんですが、2人ともお芝居はほぼ初めて。私も初心に戻ったつもりでがんばっています」と決意表明。

老人の元を訪れるケースワーカーに扮する北村さんは「内面をしっかりと出せたらと思います」と語った。ちなみにこのケースワーカー、いつも人形を抱えているというが「この人は、腹話術で老人たちの心を開いていくんです。いま一生懸命腹話術を勉強してますが、やってみると本当に難しい。撮影終了まで人形とともに過ごす毎日です（笑）」と苦労を明かした。

辻さんは「バラバラな人生を歩んできた人々が出会い、失われたピースを集めていくとひとつの家族が作られていく、という映画です。旬の若い俳優さんを起用したラブストーリーばかりのご時勢ですが、『何か違った角度から作れないか？』と考えたときに行き着いたのが、老人と少年しか出てこない映画でした。高齢化社会が叫ばれる一方で、陰湿な少年犯罪が頻発している。こんな社会でラブストーリーばかりってわけにはいかないでしょう」と説明。猪木さんの起用については「『元気がない』と言われる日本で、猪木さんとなら元気が出る映画を作れるんじゃないかと思ったんです。撮影の初日予定日にいきなり試合のプロレスの興行を入れられたり、1か月間ちゃんと現場にいてくれるのか？　というところから不安です（笑）。でも、リハーサルを繰り返してるうちに『このダイヤモンドの鉱脈に、これまで誰も気づかなかったのか？』と思えてきました。本当にすごい俳優なんですよ！　こんな出会いは初めてです」と手放しの絶賛。さて、この原石が辻監督の演出でどのような輝きを放つのか？

猪木さんと言えば、ビンタによる闘魂の注入だが、辻監督は「先ほど待ってる間にスポンサーの方々が控え室でやってもらっていて、ビシバシと音が響いてました（笑）。『次はおれか!?』と思ってトイレに隠れてたんです」とか。そして、やはりと言うべきか、猪木さんの「一、二、三、ダァーッ!!」で会見は締めくくられた。

映画『アカシアの花の咲きだすころ −ACACIA−』はまもなくクランクイン。完成は11月で公開は来年を予定。

《シネマカフェ編集部》

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