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【インタビュー】小林勇貴監督が「酒癖50」に込めた想い「批判したいのは個人ではなく“社会”」

ABEMA新作オリジナルドラマ「酒癖50」が7月15日(木)夜10時より放送される。小出恵介主演、全6話構成のオムニバス形式で酒によってあぶり出される人間の本当の弱さや醜さをリアルに描く。

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ABEMAオリジナルドラマ「酒癖50」
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誠実な人物ばかりの作品に危機感「ダメな人がいてもいい」


――小林監督作品と言えば、嘘がない生々しい描写が特徴の一つかと思いますが、本作では酒癖が悪く醜態を晒してしまうキャラクターたちをどんな風に描くことを意識されましたか?

私は、よく耳にする「作品に罪はない」という言葉が苦手です。それって“過ちを犯さないものものだけがこの世に存在していい”ってことにも聞こえるじゃないですか。罪を犯さないに越したことはないし、もちろん人を傷つけないに越したことはないですけど、どんどん誠実な人物ばかりが描かれるようになっている気がして。

不誠実な社会や人間関係に対抗するために誠実な人物が登場するのはわかるし尊敬もするんです。でも、そんなことばかりを続けていると、今度は“正しい人だけが居てもいい”みたいな選民思想に繋がっていく気がして、それって娯楽の中では一番起きてはいけないことだと危惧しています。“ダメな人がいてもいい、登場してもいい”というのは私の中にずっとある思いで、許されない行為は許されないこととして向き合って描くものの、“でも何でだろう、君はいなくなってはいけない”ということを伝えたいんです。罪について反省したり向き合った上で、“罪を犯した者がいなくなってしまえ”とは絶対に思わないので、そんな思いを込めました。

ABEMAオリジナルドラマ「酒癖50」
――撮影中、印象深いエピソードなどがあれば教えて下さい。

第4話は、モラル面で時代遅れなことがどれだけ減らせるか、悩みに悩んで演出も考えました。あの中に「寄り添うくせに無理解な男」が出てくるんですが、自分に向けての戒めの意味もあります。寄り添ったり理解があるキャラクターはここ最近描かれるようになったと思うんですが、まだ描かれていないのは「寄り添おうとしても尚かつどこかに無理解がある不気味さ、心細さ」で、これは当事者側ではない人間、男性である自分だから入れられる演出なのかなと思って敢えて盛り込んでいます。

第4話は撮影しては反省し、撮影しては反省しの繰り返しでしたが、今は撮れて良かったと思っています。“過激に作ってポイ”が一番嫌なので、少しでも何か問題提起が出来ていればいいなと思います。

――全6話のオムニバス形式ということですが、小林監督として第4話以外に思い入れが強いのは何話でしょうか。

第2話に道路を完全封鎖したカーチェイスを取り入れたんですが、自分の5、6年前のインタビューをたまたま読んでみたら「カーチェイスをやりたいです」って答えていたので念願が叶った作品になりました。実際に役者さんが運転してくれていて臨場感あるシーンになったと思います。

あとは全体を通して言えることですが、お酒に酔っ払っている姿を描こうと思えば酒瓶片手に楽しく盛り上がっている姿がイメージしやすいですが、それ以外でどうやってお酒を楽しく飲んでいる姿を見せられるか考え、いろんな要素を取り入れました。むしろ飲酒以外のシーンで演出やカメラワークを工夫していくことで飲酒シーンに繋がり、引き立つようにしました。

――本作を作ってみてお酒との付き合い方や、お酒に飲まれてしまう人への見方に変化はありましたか?

役者さんたちが魅力的だからか、危険の淵にどんどん立っていく姿もまた魅力的で、落下していく直前の人間が持つ独特の色気をみなさん出していて、魔性の力というか、謎の誘惑を感じてしまいました。もちろんトラブルを起こしたいというようなことは全くないんですが。

ABEMAオリジナルドラマ「酒癖50」
《佳香(かこ)》

テレビっ子兼業ライター・ドラマと映画が心の潤い 佳香(かこ)

出版社勤務を経て、パラレルキャリアでライターに。映画・ドラマを中心に様々な媒体でエンタメ関連のコラムを執筆中。俳優さんの魅力にフォーカスするアクター評が得意。ビジネス媒体やフェムテック関連媒体でのインタビュー&執筆実績もあり。

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