『トンマッコルへようこそ』シン・ハギュン、チョン・ジェヨン来日インタビュー
韓国で国民の6人に1人が見たというメガヒット作『トンマッコルへようこそ』は、1950年代の朝鮮戦争の最中、偶然出会った敵国同士の兵士たちがトンマッコルというユートピアに迷い込み交流を深めていくというヒューマン・ファンタジーである。オリジナルは韓国の三谷幸喜と言われている人気劇作家チャン・ジンの舞台劇で、本作が本格的な長編デビューとなるパク・クァンヒョンが監督を務めた。そして舞台版にも出演したシン・ハギュン、チョン・ジェヨンが映画版でも抜擢され新たな感動を生み出した。
『虹の女神 Rainbow Song』レビュー
大切なものは失って初めて気が付く。そうやって失うことの切なさ、辛さを知り、人はいつか幸せを手にする──。『Love Letter』、『スワロウテイル』、『花とアリス』など、誰にも真似できない世界観を描いてきた岩井俊二が、はじめてプロデュースしたこの『虹の女神 Rainbow Song』もまた、大切な人を失ったときに人は何を思うのかをテーマにした青春と恋の物語。
『へイヴン 堕ちた楽園』レビュー
トム・クルーズ、ブラット・ピットなど美貌と演技力を兼ね備えた俳優たちは、ある日その美しさを封じようとする。それは、表面ではなく中身を見て欲しいという願いでもあるのだろう。そして、『ロード・オブ・ザ・リング』や『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズで一気に人気俳優の地位を確立したオーランド・ブルームもまたそのひとり。
『いちばんきれいな水』カヒミ・カリィ インタビュー
姉と妹が過ごす奇跡の3日間を描いた『いちばんきれいな水』は、加藤ローサ主演のハートフルムービー。古屋兎丸の原作をミュージックビデオディレクターとして活躍する映像作家ウスイヒロシが監督に踏み切った作品だ。姉妹(愛と夏美)の叔母でカメラマン役の真理子を演じたカヒミ・カリィにこの映画のみどころをインタビューした。
『涙そうそう』レビュー
映画から名曲が生まれることはよくあることだが、その逆は意外と珍しい。この映画『涙そうそう』はBEGINの作った曲に森山良子が詞をのせ誕生した同名曲(2001年には夏川りみによってカバーされ大ヒット)をモチーフに作られた。沖縄の方言で「涙がとめどなく流れる、ポロポロ止まらない」という意味を持つタイトルからもどういう映画なのかは想像できると思うが、最近ちょっとしたブームになりつつある“泣きの映画”ジャンルに文句なくランクインする作品である。しかも“泣ける”と言うよりは“泣いてしまう”映画。
『フラガール』李相日監督インタビュー
公開を目前に米アカデミー賞最優秀外国語映画部門の日本代表として出品されることが決まり、幸先のよいスタートをきった『フラガール』。昭和40年の常磐炭鉱が常磐ハワイアンセンター(1990年にスパリゾートハワイアンズに名称変更)として生まれ変わる軌跡を描いた感動のダンスムービーの魅力、面白さを李相日(り・さんいる)監督に語ってもらった。
『ブラック・ダリア』レビュー
ジョシュ・ハートネット、アーロン・エッカート、スカーレット・ヨハンソン、ヒラリー・スワンクという豪華キャストの競演、監督はブライアン・デ・パルマ、原作は自らを“アメリカ文学界の狂犬”と名乗るジェイムズ・エルロイの最高傑作『ブラック・ダリア』──1997年に映画化された『L.A.コンフィデンシャル』と並ぶ“暗黒のLA4部作”の第1作(ほか2作は『ビッグ・ノーウェア』『ホワイト・ジャズ』)という、「観たい!」と思わせる要素がぎっしりと詰まった何とも贅沢なサスペンスである。
『ストロベリーショートケイクス』池脇千鶴インタビュー
魚喃キリコの傑作コミック『ストロベリーショートケイクス』が映画化された! 恋の訪れを待つ里子、デリヘル嬢の秋代、結婚願望の強いちひろ、過食症のイラストレーターの塔子──
『もしも昨日が選べたら』レビュー
時間を自由に操ることができたら人生はどんなにバラ色になるだろう──そんな願いを叶えてくれたのが『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズ等でお馴染みのタイムマシン。しかし、21世紀のそれはもっとハイテクに! なんと手のひらに収まるほどの小さなリモコンひとつで未来と過去を行き来できてしまうのだ! 夢のような万能リモコンを手に入れた建築家のマイケル(アダム・サンドラー)は、煩わしい日常をすべて早送りし、家族のために幸せを手に入れたようとするが、いつの間にかリモコンに自分の人生を操られてしまう……。
『薬指の標本』レビュー
あまりにも思い出がありすぎて身近に置いておくのがつらい物って、誰にでもひとつぐらいありますよね。この映画の舞台となる標本室は、そんな思い出を標本にして保存してくれるちょっと変わった場所です。元恋人がプレゼントしてくれた曲、文鳥の骨、ヤケド痕……と、標本にする物は人によって様々だけれど、標本にすることで思い出から解放されるというその心理は風変わりなのに何故か共感できてしまう。そして、標本技術士とラボで働く少女イリスのひそやかで奇妙な愛がこれまた美しい。ヒロインのイリスを演じるのはエル、フィガロ、マリクレールなどの一流ファッション誌の表紙を飾る国際的モデルのオルガ・キュリレンコ。これが女優デビュー作でありながらも小川洋子(原作)の世界観にいとも簡単に入り込み、恋に落ちていく女の内面を妖艶に演じています(ヌードシーンがとっても綺麗!)。
『トンマッコルへようこそ』レビュー
まず、“トンマッコル”という聞いたことのない言葉に興味をそそられる人が多いのではないだろうか。トンマッコルとは「子供のように純粋な村」という意味の理想郷の名前。この映画の影の主役でもある。物語の舞台は1950年代の朝鮮戦争の真っ只中。連合軍、韓国軍、人民軍の兵士たちがトンマッコルに迷い込み、いがみ合いを始めるのだが、自給自足、争いなし、村人すべてが笑顔というトンマッコルの村人は何故彼らが敵意むき出しで戦うのかが分からない。そして、兵士たちは村人たちの愛に触れることで戦うことがいかに無意味であるかを学び、本当に守るべき者のために戦うことを決意する──。
『サンキュー・スモーキング』レビュー
タバコにしてもジャンクフードにしても言えることだが、人は体に悪いモノをどうしようもなく好んでしまう生き物。しかも悪いモノと美味は背中合わせに存在するから質が悪い。何が言いたいのかと言うと、体に悪いと分かっていながらタバコを吸って病気になった人がいたとしたら、その人はタバコを悪だと非難できる立場か?ということ。確かにタバコは百害あって一利なしかもしれないが、吸うという選択をしたのは紛れもないその人で、この判断こそが『サンキュー・スモーキング』が言わんとしているテーマのひとつなのだ。
『グエムル -漢江の怪物-』ペ・ドゥナ来日インタビュー
『ほえる犬は噛まない』で長編監督デビューを果たし、続く『殺人の追憶』で韓国屈指のヒットメーカーとして注目を浴びたポン・ジュノ監督。彼の最新作であり今年のカンヌ国際映画祭に衝撃を与えたパニック・ムービー『グエムル 漢江の怪物』がいよいよ公開となる。

