『ノーカントリー』で恐すぎて笑えるほどの怪演を見せたハビエルに注目すべし!
デビュー作『ブラッド・シンプル』にはじまり、『ファーゴ』、『オー・ブラザー!』、『バーバー』など、オリジナル・ストーリーで多くのファンを魅了してきたコーエン兄弟。新作『ノーカントリー』は彼らにとって初の公式“原作ありき”の作品──「すべての美しい馬」で全米図書賞と全米書評家協会賞を、「The Road」でピューリッツァー賞を受賞したコーマック・マッカーシーの「血と暴力の国」の映画化である。そんなアメリカ文学界を代表する巨匠とコーエン兄弟のタッグで生まれたサスペンス・スリラーは見事アカデミー賞4部門を受賞した!
トゥヤーの、母として妻として、女性として凛とした強さが美しい『トゥヤーの結婚』
トゥヤーは内モンゴルの荒野で夫と幼い息子と共に暮らしている。ダイナマイト事故で下半身が麻痺してしまった夫の代わりに、10キロ以上離れた井戸へ水を汲みに行くのも、畑を耕すのも、羊を放牧するのも彼女の仕事。そんな妻の苦労を見かねた夫のバータルは意を決して離婚を切り出すが、トゥヤーはバータルとも一緒に生活し養ってくれる人と再婚するという条件を出す…。
エリザベス女王1世の黄金時代、ヴァージン・クイーンの苦悩をオスカー女優が熱演
1998年に公開された『エリザベス』は、私生児の烙印を押されたエリザベスが、戴冠式(国との結婚)を迎えるまでの道のりをサスペンスタッチで描き、世界の映画賞16部門を制覇、宮廷陰謀スリラーとして大きな注目を浴びた。そして9年の歳月を経て、その続編が登場! 本作『エリザベス:ゴールデン・エイジ』ではタイトルにもあるように“ゴールデン・エイジ=黄金時代”を築き、真の女王に君臨するまでのエリザベスの姿が綴られる。
これぞ団塊世代! 青春を捨てきれない中年おやじたちへの賛歌『団塊ボーイズ』
自己破産を宣告されたウディ、メタボリックな腹に悩む歯科医のダグ、ダメおやじのレッテルを貼られる自称小説家のボビー、恋に憧れるパソコンオタクのダドリー、この4人が『団塊ボーイズ』の主人公だ。そこそこの人生を歩んできたけれど青春を捨てきれない彼らの唯一の楽しみは、週末のツーリングごっこ。しかし、日本でいう団塊世代のウディたちにとって仕事や家庭のストレス数値は限界ギリギリ。そんな人生をリセットするために無謀にも乗りこなせないハーレーダビッドソンでアメリカ横断3,200キロの旅へ出発するのだが、やはりトラブルだらけで…!?
シンプルな構図でより一層引き立つ男たちの戦い『アメリカン・ギャングスター』
デンゼル・ワシントン、ラッセル・クロウというアカデミー賞俳優の競演、しかも巨匠リドリー・スコットとくれば映画ファンにとってはたまらないメンツ。しかし、どんなに「素晴らしい!」、「アカデミー賞有力候補!」と言われる作品であっても2時間37分の尺には躊躇してしまうはず…だが、この『アメリカン・ギャングスター』に限っては、お世辞抜きで“時間を感じさせない作品”と言えてしまうのだ。
これまでのディズニーとは一味違う個性的なキャラクターが魅力『ルイスと未来泥棒』
赤ん坊の頃に養護施設に置き去りにされ、そこで育った少年・ルイス。友達もいない、ひとりぼっちの彼の楽しみは発明をすること。でも、いつも失敗ばかり…それでも挫けず発明を続けているのには理由があった。「一度でいいから、ママに会いたい」。母を捜し出すために、忘れてしまった記憶を呼び戻すための“メモリー・スキャナー”を発明しようとしていたのだ。しかし、山高帽をかぶった怪しい男“未来泥棒”がそのマシンを奪い去り、さらに「未来からやって来た」という少年が現れ、ルイスは未来へタイムトラベルすることに!
初恋は年上女性? 神木隆之介の意欲作『Little DJ 〜小さな恋の物語〜』
現在、日本の若手俳優(子役)の最前線を走っているのは、間違いなく神木隆之介だ。2007年は『大日本人』、『遠くの空に消えた』など、声の出演を含め5本の映画で活躍を見せている。そのうちの1作『Little DJ 〜小さな恋の物語〜』は、突然の病に倒れながらもラジオDJに挑戦し、想いを伝える大切さを表現する少年という難役に挑んだ意欲作である。
森山未來の爽やかなタップダンス姿で弱小チームが優勝? 『スマイル 聖夜の奇跡』
1980年にザ・ロッカーズのボーカルとしてデビュー、その後は俳優として活躍、2003年には自伝的映画『ロッカーズ ROCKERS』を初監督するなど多方面で才能を発揮する陣内孝則。彼が8年間温めてきた企画を自ら原作・脚本・監督を手がけ完成させた作品が『スマイル 聖夜の奇跡』だ。弱小アイスホッケーチーム“スマイラーズ”が新監督と共に成長していく姿や、笑顔を失った少年と病気のフィギュアスケート少女の淡い恋を清々しくコミカルに描いた青春物語である。
巨匠・黒澤の不朽の名作をリメイク! 現代を生き抜くヒントを掴みたい『椿三十郎』
巨匠・黒澤明監督と主演・三船敏郎コンビが生み出した不朽の名作『椿三十郎』。45年経った現在も色褪せることなく、世界中から注目を浴びている作品である。そんな日本映画史上に輝くヒーロー活劇が森田芳光監督の手によってリメイクされた! 監督から「この人しか考えられなかった」と熱いラブコールを受け今回、椿三十郎を演じるのは、『踊る大捜査線』や『ホワイトアウト』など数多くのヒーローを演じてきた織田裕二。黒澤監督の脚本をそのまま活かすという大きなプレッシャーのなか、協調性とリーダーシップのある椿三十郎を作りだしている。
恋に結婚に仕事…欲張りな現代女性の素顔と本音が垣間見られる『肩ごしの恋人』
恋もしたい、結婚もしたい、でも仕事は辞めたくない…現代の女性は本当に欲張り。爆発的ヒットとなったアメリカのドラマ「SEX and the CITY」がいまも変わらずに人気を得ているのも、そんな女性たちの本音や理想がそこに描かれていたからにほかならない。
日本滅亡の危機をダイナミックに描く邦画アクション『ミッドナイト イーグル』
10月に開催された第20回東京国際映画祭のオープニング作品として上映され、話題を集めている『ミッドナイト イーグル』。原作は「メルトダウン」、「イントゥルーダー」などで脚光を浴びた高嶋哲夫の同名小説。山岳アクションを中心に国防の理想と現実が描かれ、映像化は絶対に不可能と言われた作品の映画化である。
街の景色、出会う人々、主人公の心が移り変わる姿に癒される和み映画『転々』
人気ドラマ「時効警察」の三木聡監督とオダギリジョーが再びタッグを組んで贈るのが本作『転々』だ。84万円の借金を抱える大学8年の文哉(オダギリジョー)は、借金取りの福原(三浦友和)から一緒に東京の街を散歩してくれたら借金はチャラ、しかも現金100万円をくれるという提案をされ、東京散歩をすることに。そして、福原が満足するまで東京を歩くこと、霞ヶ関という目的地があること、という変な条件付きの散歩に付き合っていくうちに愛情? 友情? が生まれていく…。
1,200万人が涙したケータイ小説「恋空」がいよいよスクリーンに!
ケータイ小説と言えば少し前に話題になったYoshiの「Deep Love」を思い浮かべる人も多いと思うが、それに続くブームを巻き起こしているのが「恋空〜切ナイ恋物語〜」だ。この「恋空」が注目を浴びているのは、著者・美嘉が全くの素人で、しかも彼女の自伝的小説であること。そして、中高生を中心に1,200万人という驚異的な人数の読者を獲得したことにある。初めての恋や主人公に次々と降りかかる悲劇が日記のように(分かりやすく)綴られていることから大きな共感を呼び、2006年に書籍化、2007年に映画化となった。

