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『メリンダとメリンダ』レビュー

同じ人物がたどる2通りの人生…という設定ですが、全く別の2つの物語を観ているようでした。1本の映画には1つの結末しかない、というある意味では当然の常識をあっさり覆し、しかも「悲劇と喜劇」というこれ以上ない明快な2種類のラストが用意されているので、観たい映画でボーイフレンドと意見が分かれても安心です。自作では監督と主演を兼ねることの多いウディ・アレンですが、この映画では監督に専念しているのであからさまな「ウディ・アレン」ブランドが苦手な人も入り込みやすいのでは? それにしてもラダ・ミッチェル演じる喜劇のメリンダはとても愛らしいのに、悲劇のメリンダの目つきの悪いこと! そして忘れてはならないのが、この物語が劇作家たちのゲームの上で語られているということです。自分たちの生み出したキャラクターの人生を自由に操る彼らにこそ、画面上には映っていない監督ウディ・アレンの姿を強く感じました。

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text:Shiho Atsumi
text:Shiho Atsumi

『メリンダとメリンダ』レビュー

人生は悲劇か? 喜劇か?——食事中に激論を始めた2人の劇作家が、同じ"過去あり&ワケあり女"メリンダを主人公にそれぞれ語り始める、ドタバタ&ドロドロの2つの物語。話が進むにつれて一方はどんどん不幸に、もう一方はどんどんハッピーに。人生なんて気の持ちようで……と言うより、幸福を望む女は幸福になり、不幸を望む女は(自分がそれを望んでいることに気づかないまま)不幸になってゆく。だから2人はある意味どっちも幸せ。一人二役でキュート&やさぐれを演じたソラマメ顔のラダ・ミッチェルは、女は顔の造作じゃなくプレゼンの仕方であることを教えてくれる。なんつーことのない話を会話のセンスとリズムでアベレージに仕上げるウディ・アレンの手腕は相変わらずだが、才能がありすぎるから小手先で作れちゃうんだろうなあって気にもさせる1本。個人的には本人出演作品のメチャクチャぶりのほうが好き。いかにもNYなインテリアがかっこいい。

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映画で知る、母の愛 vol.2 魂をこめて絶叫せよ!

私は、案外ホラー好き。「リング」「らせん」は、原作が出たときからはまったし、世界の有名作家が書いた短編怪奇小説を収録した「怪奇小説傑作集1〜4」(創元推理文庫)なんぞ、愛読書だったりするのです。そんなわけで、ここ最近のホラー・ブームが、少しでも長く続いて欲しい、ブームで終わって欲しくないな…と考えています。

映画で知る、母の愛 vol.1 ジュリアン・ムーア、2児の母 画像

映画で知る、母の愛 vol.1 ジュリアン・ムーア、2児の母

母の日は過ぎたけれど、映画の中では“母と子の愛”は人気のテーマ。過去にも『ステラ・ダラス』(リメイクは『ステラ』)、『愛と追憶の日々』をはじめ、母子ものは数知れず。そして、これからも多くの作品が続々登場いたします。

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『大いなる休暇』レビュー

この映画は本当に旅をする気分で観に来てほしいです。仕事とか生活とか、日ごろの面倒くさい出来事は全て置いてきて、スッキリしてから観るべき。そうしないとこの島のゆるゆる時間にシンクロできないかもしれません。かくいう私自身がばっちりシンクロしそこねた組でして、上映開始早々このゆっくりスピードについていけず、ちょっとうたた寝をしてしまいました(笑) ゆっくり流れる時間がなんとも気持ちがいいからなんですが、そんなこともこの映画なら許されちゃうと思ったりして? でも、観るうちに、この島の人たちのまっすぐな感情に驚かされます。ドクターに島を好きになってもらうためにつく嘘とかわいい策略、なんとも微笑ましくて思わず笑顔がこぼれ、気づいたら最後は島の一員になって嘘を応援している自分がいました。見終わって素敵な旅をしたい気分にさせられる、そんな映画ですね。

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『大いなる休暇』レビュー

「嘘」をテーマにした映画はたくさんあります。嘘が感動を呼ぶものもあれば、悲劇を招く場合もあります。この「嘘」というのは厄介で、たとえば恋愛なんかだと相手につく嘘は命とりになったりします。この映画では島全体の利益のために島民が一丸となって嘘をつくわけですが、もしこの話がサスペンスだったら全員が共犯者、ということになります。しかし彼らのつく嘘はどれもこれも稚拙で(だからこそ憎めない)、とてもミステリーのネタにはなりそうもありません。いい歳をした大人たちがなにをやっているんだか…とあきれてしまうような展開も多々あります。でもそれがこの映画のいいところです。小難しいことは考えずに、目の前の島民たちの奮闘ぶりとドクター・ルイスの騙されっぷりをとことん楽しんだほうが賢明です。大スターも派手なアクションもないけれど、ささやかな幸せを与えてくれる愛すべき1本です。

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『大いなる休暇』レビュー

本作の原題は“La Grande Seduction”、つまり「大いなる“誘惑”」です。工場誘致のために医者を必要とする島民たちが、あらゆる手をつくしてドクターの理想通りの島を作りあげ、なんとか気に入ってもらえるよう努力します。ドクターが釣に行けば、大きな魚がひっかかるように仕掛けをしたり、レストランでは好物のビーフストロガノフを「本日のオススメ」メニューとして用意したりするのですが、これらの行為はある種の詐欺行為で、言ってしまえばドクターを四六時中騙し続けているわけです。それでも島民たちを心から応援したくなるのは、彼らが島を愛し、今や年金だけが頼りの生活から抜け出したいという真っ直ぐな気持ちが十二分に伝わるから。全島民が一致団結して、嘘を真実に変えるために右往左往する姿には笑顔にならずにはいられません。久しぶりに声を出して笑いました! ラストはほろっとし、きっと観終わった後は温かな気持ちに包まれますよ。

新しい出会いから恋芽生える5月 ひと筋縄ではいかない恋愛映画 vol.3 『バタフライ・エフェクト』で気づく恋愛の極意 画像

新しい出会いから恋芽生える5月 ひと筋縄ではいかない恋愛映画 vol.3 『バタフライ・エフェクト』で気づく恋愛の極意

少年時代、ときどきブラック・アウトしていたため、治療として日記をつけていたエヴァン。大学生となり、それも遠い過去となった今、彼は自分が持つ不思議な能力に気がつく…。

新しい出会いから恋芽生える5月 ひと筋縄ではいかない恋愛映画 vol.2 『スカーレット・レター』で壮絶な恋愛の成れの果てを知る  画像

新しい出会いから恋芽生える5月 ひと筋縄ではいかない恋愛映画 vol.2 『スカーレット・レター』で壮絶な恋愛の成れの果てを知る

2月22日に飛び込んできたニュースは、それほど彼女を知らない人さえも、なぜかやるせない気持ちにさせたことでしょう。折しも日本が空前の韓国ブーム真っ只中の時期だっただけに、前途洋々だった美しき韓国女優イ・ウンジュが自ら命を絶ったという悲劇を、より身近に受け止めた人も多かったはず。

『クローサー』レビュー 画像

『クローサー』レビュー

『クローサー』は危険です。4人のキャラクターはそれぞれ別の恋愛の形を信じ、嘘をつき、相手を責め、同情し、そして必死に愛を求める。そこで4人のうち誰に共感するかを語ってしまうと、自分の恋愛観を見透かされるようで怖い…。人は結局相手を傷つけたくないから嘘をつくのではなく、自分が傷つきたくないだけ。エゴであり、弱さでもあります。本作はこのリアルな弱さやズルさを全て見せているからこそ、例え不倫でも、それもひとつの恋愛としてどこか納得してしまうのかも。でも、あーその気持ち分かるっ!と口にした瞬間、ズルイ自分を露呈してしまっているのだから、やはりこの映画は軽々しくは語れません…

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『クローサー』レビュー

“女の人は強いなぁ…”。映画『クローサー』を見終わった感想。この映画、女性が観ると、“してやったり”って感じでスッキリするんだろうけど、男からすれば、決して後味がいい話ではない。恋愛映画は大抵女性が泣いてるパターンが多いけど、この映画は男の弱い部分がいっぱい描かれてるのでおもしろいなぁと思う。

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『クローサー』レビュー

この映画は、観ていて痛い。痛すぎます。どうしてそんなに痛いかというと、恋愛によって表出してくるエゴとか汚さとか弱さとか、つまりは人間の正体というものを、身もふたもなく、包み隠さず描いているので、観ているこちらも正論や綺麗ごとといった自衛手段をすべてむしり取られてしまうから。そのうえ、あなたの、そしてパートナーの恋愛観をも暴きます。誰に感情移入するか、彼らの混乱をどう肯定し、どう否定するかで、秘密の過去までバレるおそれがあるのでご注意を。ですから、デートで映画を観た場合は鑑賞後に余計なことは喋らないと決め込むか、強い絆を確信していない恋人とは観ないようにとご忠告しておきましょう。あえて自分たちの真の姿に挑みたいという方は、ぜひぜひカップルでどうぞ。でも、鑑賞後のトラブルについて、責任は負いかねますので悪しからず。

新しい出会いから恋芽生える5月 ひと筋縄ではいかない恋愛映画 vol.1 爽やかな5月に良く似合う! とってもキュートなラブ・コメディ 画像

新しい出会いから恋芽生える5月 ひと筋縄ではいかない恋愛映画 vol.1 爽やかな5月に良く似合う! とってもキュートなラブ・コメディ

風薫る5月。夏の一歩手前の爽やかな季節がやってきました。新生活をスタートして、ちょっと慣れてきたこの時期は、自分らしいリズムを見つけ、毎日の生活の中に何か発見があったりするもの。例えば、気にもしていなかった人物が、ちょっとしたことをきっかけに突然気になりはじめたりとか。

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