売れない漫画家・高畑寿々男は身の程知らずなポジティブ男。酒とギャンブルに溺れる日々を送っていた。 そんなある日。競輪で大当たりして大喜びした帰り道、交通事故で歩道橋から落ちて死んでしまう。 何の覚悟も、次の作品の発表も、何の教訓も、残さないまま。嫁と娘を残して。 寿々男が目覚めると、そこは「関所」だった。死んだ人間はここで面接を受け、次の命が決められる、 というシステム。寿々男のあまりのクズっぷりに、裁判長も呆れ顔。そして、下された判決は…『執行猶予1か月。家族の元へ戻り、家族の本当の心・自身の本当の心を見つめ直すものとする。 ただし、猫として。』…だった。猫の姿で妻・奈津子と娘・実優のもとに戻った寿々男は…。
筧昌也