舞台は、和歌山県南部にあるクジラしか飼育されていない「太地町立くじらの博物館」。来客も増えず次々に飼育員が辞めていく中、館長経験豊富なベテランスタッフから強い反対を受けても、飼育員リーダーに、純粋にクジラを愛する青年・鯨井太一を任命する。東京の水族館からピンチヒッターとして呼ばれた白石唯や、学芸員の間柴望美ら、同僚たちの中にも懸命に太一をサポートする人も現れるが、皆を悩ませていたのは来客がすくないことだった。そんな中、博物館を盛り上げるために太一は、スタッフの手作りによる「くじら夢まつり」を行うことを思いつく。しかし、開催を目前に控えたある日、「くじら夢まつり」中止の危機が訪れる…。
藤原知之