大学受験に失敗した晴斗は、浪人生活を送りながら鬱々とした日々を過ごしていた。初めての挫折に自信をなくし、時間だけが過ぎていったある日、映画館をオープンさせた姉のまどかに会いに行くと、半ば強引に手伝いをさせられることになる。そこで出会った映写技師の圭吾の影響で映写機に興味を持ち始める晴斗。人生につまずいてしまった、と感じていた晴斗が、圭吾や子供の頃に世話になった茂や加代たちとの関わりの中で、ある光を見つけようとしていた――。
今西祐子