レビュー2008-03-18 18:54

人生は苦く、そして甘いもの──『マイ・ブルーベリー・ナイツ』で甘酸っぱい時間を

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『マイ・ブルーベリー・ナイツ』 -(c)Block 2 PICTURES 2006

『マイ・ブルーベリー・ナイツ』 (C)- Block 2 PICTURES 2006

ウォン・カーウァイ監督、ノラ・ジョーンズ主演で話題の本作は、失恋から立ち直れないでいる女性を主人公にしたラブストーリー。ノラ・ジョーンズ演じるヒロイン、エリザベスは、恋人の心変わりが原因で失恋。ひょんなことから、恋人だった男の家の近くにあるカフェに毎晩出入りするようになる。そのカフェのオーナー、ジェレミーは優しい男性で、彼はエリザベスのためにブルーベリー・パイを用意してくれるように。けれど、失恋によって心をすっかり痛めてしまったエリザベスは、ジェレミーとの距離が近づくことに不安を覚え始める。

『マイ・ブルーベリー・ナイツ』 (C)- Block 2 PICTURES 2006

オープニングからして、何とも甘酸っぱく胸キュン。歌っているときより若干幼さを感じさせるノラ・ジョーンズが、戸惑いのヒロインを好演。そんな彼女をひたすら見守るジェレミー役、ジュード・ロウの視線がどこまでも柔らかく、過去最高に素敵な彼が見られる。

エリザベスがジェレミーのもとを旅立ち、自分探しの旅に出る中盤からはウォン・カーウァイ哲学が物語を優しく支配する。旅によって物理的な距離を広げるにつれ、心の距離を縮めていくエリザベスとジェレミー。旅先で出会った人々の苦い現実に触れることで、自らの純真無垢な気持ちを確かにしていくエリザベスの強さもいい。

人生には苦い瞬間もあれば、甘い瞬間もある。そんな人生の真理をそっと教えてくれる珠玉の一作だ。

(text:Hikaru Watanabe

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