※本サイトはアフィリエイト広告を利用しています

【インタビュー】『パラサイト』クライマックスは「シナリオとは違う」ポン・ジュノ監督&ソン・ガンホが証言

共同脚本も手がけたポン・ジュノ監督、主演を務めるソン・ガンホが昨年末、そろって来日を果たし、インタビューに応じた。

最新ニュース インタビュー
注目記事
ポン・ジュノ監督&ソン・ガンホ『パラサイト 半地下の家族』/photo:You Ishii
ポン・ジュノ監督&ソン・ガンホ『パラサイト 半地下の家族』/photo:You Ishii
  • ポン・ジュノ監督&ソン・ガンホ『パラサイト 半地下の家族』/photo:You Ishii
  • ソン・ガンホ『パラサイト 半地下の家族』/photo:You Ishii
  • ポン・ジュノ監督『パラサイト 半地下の家族』/photo:You Ishii
  • ポン・ジュノ監督&ソン・ガンホ『パラサイト 半地下の家族』/photo:You Ishii
  • ソン・ガンホ『パラサイト 半地下の家族』/photo:You Ishii
  • ソン・ガンホ『パラサイト 半地下の家族』/photo:You Ishii
  • ソン・ガンホ『パラサイト 半地下の家族』/photo:You Ishii
  • ソン・ガンホ『パラサイト 半地下の家族』/photo:You Ishii

今という時代を、いかに生きるべきと問いかけている


豪邸という閉鎖空間で、相反する2つの家族が繰り広げる駆け引きがスリリングに、ときに毒気あふれる笑いも振りまきながら展開する『パラサイト 半地下の家族』。サスペンス、コメディ、社会派ドラマ、果てはホラー(?)と表情を変えながら、映画は誰も予測できないクライマックスへとたどり着く。阿鼻叫喚という言葉がふさわしい結末について、もちろん詳細は記さないが、2人の証言から「シナリオとは違う結末になった」ことが明らかに!

『パラサイト 半地下の家族』(C) 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED
――あのクライマックスには、言葉を失いました。

ポン・ジュノ監督:ある登場人物の行動について、シナリオでは意図をあいまいにしたままでした。「意志を持ってあえてそうしたのか、それとも偶発的な出来事なのか」その中間を漂っていたんです。ただ、シナリオに基づき、絵コンテを描き進めるうち(※ポン・ジュノ監督は自ら絵コンテも描く)、より瞬間的な感情の高ぶりを重んじようと決断しました。

ソン・ガンホ:事前にシナリオは読んでいましたが、監督から相談を受けて、私もぜひそうしようと同意しました。これぞ、正解だと。なぜなら、私たちが生きる現実世界は、映画のクライマックスをも上回るほど、残酷で冷酷だからです。

ポン・ジュノ監督&ソン・ガンホ『パラサイト 半地下の家族』/photo:You Ishii
ポン・ジュノ監督:先輩であるソン・ガンホさんに背中を押されたこともあり、非常に複雑なシーンでありながら、撮影そのものはとてもスムーズで、驚くほどとんとん拍子でした。議論を巻き起こすかもしれないと躊躇もありましたが、「あっ、これを演じるのはソン・ガンホさんなんだ」と気づいた瞬間、観客の皆さんを納得させられると確信し、安心できた。ソン・ガンホさんとは、そんな存在なのです。

ソン・ガンホ:私は『パラサイト 半地下の家族』での“水”の表現を大変気に入っています。人々が抱える悲しみや哀れみが、水を通して描かれているんです。そしてこの映画は決して格差や分断、それらの対立を描くだけの映画ではありません。私たちが今という時代を、いかに生きるべきと問いかけているのです。

ポン・ジュノ監督&ソン・ガンホ『パラサイト 半地下の家族』/photo:You Ishii
《text:Ryo Uchida/photo:You Ishii》

関連記事

特集

【注目の記事】[PR]

特集

page top