濱島浩司、39歳。8年前はプロ野球選手として活躍していたが、戦力外通告を受けて以降、生活は荒れる一方。それが原因で妻や息子と離れた濱島は、故郷の北九州で、親友の居酒屋を手伝うことに。相変わらずパチンコや酒に溺れ、挙げ句に親友の妻と浮気するなど自堕落な生活が続く中、濱島はなじみのラーメン屋で競輪選手になることを勧められる。「40歳以上でも入学できる」と聞き、競輪学校に入学した濱島を待っていたのは、教官からの猛烈なしごきと、20歳以上も歳の離れた若者たちからのいじめだった。持ち前の負けん気で過酷なトレーニングに何とか食らいつき、いじめにも屈しない濱島。だが一方で自堕落な生活からは抜け出せず、成績は一向に振るわない。崖っぷちな状況をみずから招いていた彼は、ある日同郷の同級生、久松孝明の存在を知り…。
江ロカン