京都市街を走る路面電車、京福電鉄嵐山線(通称らんでん)を舞台に、交錯する3つの恋愛を幻想的に描いた映画。鎌倉からやってきたノンフィクション作家の平岡衛星は、嵐電の走る線路のそばに部屋を借り、嵐電にまつわる不思議な話を集める取材を開始する。そこには、衛星と彼の妻・斗麻子がかつて嵐電の街で経験した出来事を呼び覚ます目的があった。修学旅行で青森からやって来た女子学生・北門南天は、嵐電の駅で電車をスーパー8で撮影する地元の少年・子午線と出会い夢中に。太秦撮影所の近くのカフェで働く小倉嘉子は、撮影所にランチを届けた折、東京から来たそれほど有名ではない俳優・吉田譜雨に京都弁の指導をすることになり、台詞の読み合わせを行うが…。
鈴木卓爾