66歳で母アヌの営む葬式陣頭<牽亡歌陣>の仕事を手伝い始め、10歳で小学校中退を余儀なくされたチェン。暴力を振るう夫から身を守るために、アヌはチェンとその妹を連れて家を逃げ出す。学校に通うことが出来なかった子供時代。弔い業に対する世間の冷ややかな視線、そして周囲に隠すことなく「女性が好きな女性」として奔放に振る舞うアヌへの偏見。さらに娘たちよりも恋人を優先するアヌに、チェンは次第に不信感を募らせ、母娘関係はいつしか他人同士のように冷え切ってしまう。やがて自らも一児の母となったチェンは家族の姿を映画に撮ることで、アヌの本音を聞き出し、自分の秘密を打ち明けようと決心する。
ホアン・フイチェン