舞台は、パリの中心地・セーヌ川に浮かぶ木造建築の船。ユニークなデイケアセンター<アダマン号>。精神疾患のある人々を迎え入れ、文化活動を通じて彼らの支えとなる時間と空間を提供し、社会と再びつながりを持てるようサポートをしている。運営するのは、精神科医療の世界で起こる“質の低下”や“非人間化”の波にできる限り抵抗しようとするチームだ。患者もスタッフも区別なく、誰しもにとって生き生きと魅力的なこの場所を、監督は「奇跡」だという。そして本作でもニコラ・フィリベール監督は、ここにやってくる人たちに寄り添い、優しい眼差しで捉え見つめ続ける。
ニコラ・フィリベール