イギリス映画といえば、スパイ、ギャング、そしてブルーカラーを描いた映画が定番のジャンルだけれど、本作は靴職人という労働者階級の人々を描いた作品。『フル・モンティ』『ブラス!』などと同様に、困難に直面した貧しい人々が、胸に芽生えたささやかな希望を武器に再生していくという、単純だけれど魅力的な物語。これは実話なのですが。
男性のファッションでは、結構スーツが好きな私。ズボンのすそがやけに短かったり、ちらりと見える靴下がスポーティーな白だったりする公務員風や、おしゃれ心が見えすぎちゃっているキメキメスタイルなどではなく、身体に程よくフィットしたスーツを、ナチュラルに着こなしている人を素敵だなと思うのです。でも、そんな人を見つけるのは実はけっこう難しい。まず、着る人自身が素敵でなければいけないから。それは上辺だけのことではなく(もちろん、容姿がよければなおよろしいが)、パリッとしたスーツが似合う紳士でなければ、ということ。紳士と言っても、昔ながらの意味する、「上流社会の男子」ということではもちろんありません。いわゆる、品性があって、礼儀正しい大人という意味で。これって、すれ違っただけではなかなか判別できない。電車の中で、誰かに席を譲ったりしていてくれれば、わかり易いのだけれど。
「助けてください」という朔太郎(森山未來)の叫びが印象的だった『世界の中心で、愛をさけぶ』は、日本全国にセカチュー現象を巻き起こした大ヒット作であることは今さら説明するまでもないが、そのセカチューを早くも韓国がリメイク! しかも『猟奇的な彼女』『僕の彼女を紹介します』など、韓国の純愛映画には欠かせない俳優のひとりチャ・テヒョンが主演! とくれば興味を持つ人も多いはず。
今さら、あえて言う必要もないが、どんな物にもタイトルは重要である。例えば同じ写真でもタイトルをつけるだけで、イメージが全然、変わってしまう。
「水も滴るいい女たち」、第3弾は、夫を支える良妻像をナチュラルに見せてくれた『狩人と犬、最後の旅』のメイ・ルー。物語は、カナディアン・ロッキーで、本物の狩人として暮らすノーマン・ウィンターの、自然と調和した生活を描いたもの。といっても、完全なるドキュメンタリーではなく、彼の人生からインスパイアされた、犬ぞり犬、自然、獲物たちとの共存を切り取っていくのです。森の木が伐採され、多くの動物が消えていく中で、生活のために動物を獲って肉を皮を得る。ノーマンは、動物を殺すことについてこう話します。「許しは請わない。感謝するだけだよ」。必要な分だけ獲りながら、自然界のバランスをとっている自分たちは自然の一部であり、森の番人だと胸を張る。そんな男との生活は、当然ながら過酷きわまりないものです。
一体、どれだけの観客がこの映画を観終わった後にうどん屋へ駆け込むことだろう。劇中に登場するメニューにそそられることはよくあるけれど、「何が何でも食べたい!」という衝動に駆られ即実行というのは珍しい。まさに、うどんに取り付かれてしまう映画なのだ。
元ヴォーグの編集長アシスタントが書いたことで、出版業界、ファッション業界の裏側がたっぷり暴露されていると話題になった小説「プラダを着た悪魔」。以前、シネマカフェのブログでお勧めしたことがあったけれど、やっと待望の映画が完成。現アメリカンヴォーグの名物編集長、アナ・ウィンターがモデルとも言われる“悪魔のようなボス”にメリル・ストリープ。彼女に散々こき使われる新人アシスタントに、『ブロークバック・マウンテン』で評価を高めたアン・ハサウェイとキャストが魅力。そこに加えて、華やかな世界を舞台にしているだけに、話題なのが絢爛豪華なハイ・ファッション。タイトルになっているプラダはもちろん、シャネル、ドルチェ&ガッバーナ、フェンディ…などなど、ここではリストアップできないぐらい沢山の高級ブランドが湯水のごとく登場する。
世界のヒーロー、スーパーマンが帰ってきた! というわけで、タイトルはそのまんま『スーパーマン リターンズ』。どんなに些細な事件、事故をも軽視せず、世界の果てまで飛んでいく、我らが英雄。しかも、とびきりかっこいい! 本当に、こんな英雄がいてくれたらいいのに。映画を観ていると本当に心からそう願いたくなってしまいます。と、同時に、妙にうらやましいのがロイス・レイン。ヒーローものにはつきものの、美しきヒロインです。
危機のあるところにヒーローあり──助けを求めれば必ず参上してくれる、そんな無敵で格好いいヒーローがいつの時代にもどの国にも存在するものだが、スーパーマンほど世界共通して有名なヒーローはいないのではないだろうか。スーパーマンの誕生は1938年に遡る。コミックでデビューを飾り、アニメ、映画、テレビと数多くの作品が製作されたが、やはりクリストファー・リーヴ主演で映画化された人気シリーズが日本人にとっての代表的なスーパーマン。そんな永遠のヒーローとして歴史に名を刻んだ男が“リターンズ”として現代に再登場するというのだからファンならずとも期待が膨らむのは当然のこと。スーパーマン世代もそうじゃない世代も楽しめる娯楽映画として帰ってきたのだ!
昨夏の『タッチ』に続き、今夏はあだち充作品の中でも評価の高い『ラフ』が映画化! 高校の水泳部を舞台に商売がたき同士の和菓子屋の娘と息子の恋を描いた、現代版『ロミオ&ジュリエット』なのだが、この映画『ラフ』の何がすごいかって──夏、プール、恋というサマー・ムービーに欠かせない三拍子が揃っているうえに、主演が長澤まさみ×速水もこみち! これは原作ファンならずともひと夏の爽やか〜な恋に酔いしれたいと思ってしまうはず。もこみち君の華麗でダイナミックな泳ぎ、長澤まさみちゃんのスレンダーな水着姿に見とれつつ、競泳シーンは本物さながらの試合を見ているような迫力を味わえてしまうのだ。もちろん、青春映画ならではの甘酸っぱい恋も健在。思うように気持ちを伝えられなかったり、好きなのに強がってしまったり。そんな「好き」の一言がいえない十代の揺れる恋心にもどかしさを感じながらドキドキ……という感じでみどころは盛りだくさん! でも、なぜか印象深いのは歌謡曲喫茶「チロリン」の店長。あのインパクトには全てが負けそうな気も(笑)。
世界12ヶ国で絶賛をうけながらも、昭和天皇を主人公にしているだけに、日本での公開は不可能と言われた『太陽』。まず驚いたのが、イッセー尾形が昭和天皇にあまりにも似ていること。1980年から一人芝居をはじめ、今でも海外公演を毎年定期的に行えるだけの実力がある俳優だからこそ、かもしだせる佇まいなのでしょうか。とにかく本作は毎年終戦記念日が近づくと、テレビなどで放映している戦争番組とは一線を画する作品です。監督はロシアを代表する映像作家のアレクサンドル・ソクーロフ。そういえば人間性を深くえぐり出すようなこの内容は、まるでロシア文学のよう。現人神として、大事に大事にあまりにも畏れ多く扱われていた人の、幼なさと優しさが胸に響きます。あまりにも大きな役割を生まれながらにして背負っていたひとりの人間、天皇ヒロヒト。もちろん本当の昭和天皇が終戦の時どう思っていたかは分かりませんが、イッセー尾形の名演とあいまって、上質なドキュメンタリーを見ているような気にさせられる作品です。
『LOST』(AXN)、『Lの世界』(FOXlife)など、近頃面白い海外ドラマが、日本でも比較的早く見られるようになったことは、以前、Blogでもご紹介したとおり、今は、映画に引けをとらないくらい、TVドラマもスケールや質が高くなっているけれど、強い影響力を持った流行発信を行っていることも話題。
最近、シネコンが多くなっている。それは日本だけはなく、海外を旅していてもそう感じることが多い。もちろんシネコンにはシネコンの魅力がある。以前は、この作品を観るという目的を持って映画館に行くことが多かったのだが、時間が開いたから、映画でも観ようとシネコンに行き、その時間に合わせて観た作品が意外によかったりして、得した気分になることはシネコンのおかげである。