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『メリンダとメリンダ』レビュー
同じ人物がたどる2通りの人生…という設定ですが、全く別の2つの物語を観ているようでした。1本の映画には1つの結末しかない、というある意味では当然の常識をあっさり覆し、しかも「悲劇と喜劇」というこれ以上ない明快な2種類のラストが用意されているので、観たい映画でボーイフレンドと意見が分かれても安心です。自作では監督と主演を兼ねることの多いウディ・アレンですが、この映画では監督に専念しているのであからさまな「ウディ・アレン」ブランドが苦手な人も入り込みやすいのでは? それにしてもラダ・ミッチェル演じる喜劇のメリンダはとても愛らしいのに、悲劇のメリンダの目つきの悪いこと! そして忘れてはならないのが、この物語が劇作家たちのゲームの上で語られているということです。自分たちの生み出したキャラクターの人生を自由に操る彼らにこそ、画面上には映っていない監督ウディ・アレンの姿を強く感じました。
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『メリンダとメリンダ』レビュー
人生は悲劇か? 喜劇か?——食事中に激論を始めた2人の劇作家が、同じ"過去あり&ワケあり女"メリンダを主人公にそれぞれ語り始める、ドタバタ&ドロドロの2つの物語。話が進むにつれて一方はどんどん不幸に、もう一方はどんどんハッピーに。人生なんて気の持ちようで……と言うより、幸福を望む女は幸福になり、不幸を望む女は(自分がそれを望んでいることに気づかないまま)不幸になってゆく。だから2人はある意味どっちも幸せ。一人二役でキュート&やさぐれを演じたソラマメ顔のラダ・ミッチェルは、女は顔の造作じゃなくプレゼンの仕方であることを教えてくれる。なんつーことのない話を会話のセンスとリズムでアベレージに仕上げるウディ・アレンの手腕は相変わらずだが、才能がありすぎるから小手先で作れちゃうんだろうなあって気にもさせる1本。個人的には本人出演作品のメチャクチャぶりのほうが好き。いかにもNYなインテリアがかっこいい。
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『マザー・テレサ』オリビア・ハッセー来日記者会見
弱い者に惜しみない愛と援助を与え、故・ダイアナ妃など多くの著名人にも影響を与えたマザー・テレサ。その生涯が映画になってよみがえった。主演を務めるのは、マザー・テレサを演じることが長年の夢だったというオリビア・ハッセー。シンプルなサリーに身を包んだ姿からは本物に負けるとも劣らないオーラが感じられる。ハッセーにとっては縁の地でもある日本に17年ぶりの来日を果たし、日本の観客にメッセージを贈った。
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『サマータイムマシン・ブルース』上野樹里、瑛太、川岡大次郎完成披露試写会
『踊る大捜査線 THE MOVIE』で邦画史上、実写としては歴代No.1の興行記録を打ち立てた本広克行監督がこの夏に贈る青春SFエンターテイメント『サマータイムマシン・ブルース』。『ウォーターボーイズ』の瑛太、『スウィングガールズ』の上野樹里という夏にぴったりのコンビを主演にむかえ、自らプロデュースも手掛けた本作の完成披露試写会が行われ、タイムマシンのオブジェの前にキャストらが集合した。
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映画で知る、母の愛 vol.2 魂をこめて絶叫せよ!
私は、案外ホラー好き。「リング」「らせん」は、原作が出たときからはまったし、世界の有名作家が書いた短編怪奇小説を収録した「怪奇小説傑作集1〜4」(創元推理文庫)なんぞ、愛読書だったりするのです。そんなわけで、ここ最近のホラー・ブームが、少しでも長く続いて欲しい、ブームで終わって欲しくないな…と考えています。
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『青い棘』アヒム・フォン・ボリエス監督インタビュー
日本におけるドイツ年である今年、注目のドイツ映画が続々と公開されている。『グッバイ、レーニン!』で脚本をつとめたアヒム・フォン・ボリエスと主演のダニエル・ブリュールが再タッグを組んだ『青い棘』の公開を控え、今回が長編初監督となったアヒム・フォン・ボリエス監督が初来日を果たした。
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『魁!!クロマティ高校 THE★MOVIE』板尾創路インタビュー
実写化不可能…というより誰も実写化しようとすら思わなかったであろう漫画が実写化されてしまった。その映画こそ『魁!!クロマティ高校 THE★MOVIE』である。原作は450万部の売上げを誇る同名ギャグ漫画。あらゆる常識を無視し、漫画でしか成り立たないと思われた世界をいったい誰が、どのように映画化したというのだろうか。というわけで、本作の構成・出演を兼ね、お笑いコンビ130Rとしての活動やダウンタウンの番組などでもお馴染みの板尾創路さんに話をうかがった。
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『ヒトラー 〜最期の12日間〜』ブルーノ・ガンツ、オリヴァー・ヒルシュビーゲル監督来日記者会見
ドイツ人によって初めてヒトラーについて描かれた映画『ヒトラー 〜最期の12日間〜』が注目を集めている。本年度のアカデミー賞にもノミネートされ、本国のドイツでも歴史の真実と向き合った映画としてきわめて正当に受けとめられているという。主演のブルーノ・ガンツと共に来日したオリヴァー・ヒルシュビーゲル監督は会見の席で「コンニチハ。ニホンニコレテウレシイデス」と見事な日本語を披露した。
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映画で知る、母の愛 vol.1 ジュリアン・ムーア、2児の母
母の日は過ぎたけれど、映画の中では“母と子の愛”は人気のテーマ。過去にも『ステラ・ダラス』(リメイクは『ステラ』)、『愛と追憶の日々』をはじめ、母子ものは数知れず。そして、これからも多くの作品が続々登場いたします。
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『大いなる休暇』レビュー
この映画は本当に旅をする気分で観に来てほしいです。仕事とか生活とか、日ごろの面倒くさい出来事は全て置いてきて、スッキリしてから観るべき。そうしないとこの島のゆるゆる時間にシンクロできないかもしれません。かくいう私自身がばっちりシンクロしそこねた組でして、上映開始早々このゆっくりスピードについていけず、ちょっとうたた寝をしてしまいました(笑) ゆっくり流れる時間がなんとも気持ちがいいからなんですが、そんなこともこの映画なら許されちゃうと思ったりして? でも、観るうちに、この島の人たちのまっすぐな感情に驚かされます。ドクターに島を好きになってもらうためにつく嘘とかわいい策略、なんとも微笑ましくて思わず笑顔がこぼれ、気づいたら最後は島の一員になって嘘を応援している自分がいました。見終わって素敵な旅をしたい気分にさせられる、そんな映画ですね。
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『大いなる休暇』レビュー
「嘘」をテーマにした映画はたくさんあります。嘘が感動を呼ぶものもあれば、悲劇を招く場合もあります。この「嘘」というのは厄介で、たとえば恋愛なんかだと相手につく嘘は命とりになったりします。この映画では島全体の利益のために島民が一丸となって嘘をつくわけですが、もしこの話がサスペンスだったら全員が共犯者、ということになります。しかし彼らのつく嘘はどれもこれも稚拙で(だからこそ憎めない)、とてもミステリーのネタにはなりそうもありません。いい歳をした大人たちがなにをやっているんだか…とあきれてしまうような展開も多々あります。でもそれがこの映画のいいところです。小難しいことは考えずに、目の前の島民たちの奮闘ぶりとドクター・ルイスの騙されっぷりをとことん楽しんだほうが賢明です。大スターも派手なアクションもないけれど、ささやかな幸せを与えてくれる愛すべき1本です。
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『大いなる休暇』レビュー
本作の原題は“La Grande Seduction”、つまり「大いなる“誘惑”」です。工場誘致のために医者を必要とする島民たちが、あらゆる手をつくしてドクターの理想通りの島を作りあげ、なんとか気に入ってもらえるよう努力します。ドクターが釣に行けば、大きな魚がひっかかるように仕掛けをしたり、レストランでは好物のビーフストロガノフを「本日のオススメ」メニューとして用意したりするのですが、これらの行為はある種の詐欺行為で、言ってしまえばドクターを四六時中騙し続けているわけです。それでも島民たちを心から応援したくなるのは、彼らが島を愛し、今や年金だけが頼りの生活から抜け出したいという真っ直ぐな気持ちが十二分に伝わるから。全島民が一致団結して、嘘を真実に変えるために右往左往する姿には笑顔にならずにはいられません。久しぶりに声を出して笑いました! ラストはほろっとし、きっと観終わった後は温かな気持ちに包まれますよ。
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『サハラ−死の砂漠を脱出せよ−』マシュー・マコノヒー&ペネロペ・クルス来日記者会見
全世界で1億2000万部を突破したというクライブ・カッスラーの“ダーク・ピット”シリーズ。冒険小説の最高峰と言われ、トム・クランシーが「最も待ち遠しいもののひとつ」と新作の出版を楽しみにしていると語るなど、プロまでも魅了する物語のスケールは超一級だ。『サハラ−死の砂漠を脱出せよ−』は、『レイズ・ザ・タイタニック』以来、実に25年もの歳月を経て制作されたカッスラー作品の映画化第2弾。4月には、12週間にもおよぶ過酷な砂漠でのロケをものともせず、主演のダークを演じきったマシュー・マコノヒーと、ヒロインを演じたのはペネロペ・クルスがプロモーションのため来日。会見では、交際が報じられた噂の2人が日本初のツーショットを披露し、注目を集めた。

