自身が感じるこれからの課題とは?
――『汝、星のごとく』の現場では暁海が「私、ばかになれるから」と涙を流すシーンなどテイクを重ねるなかでも毎回すさまじい入り込みを見せられていましたよね。その広瀬さんが「恥ずかしくなる瞬間がある」と仰っているのが、意外です。
広瀬:恥ずかしくなる瞬間はいっぱいあります(笑)。「櫂ー!」と大声を出すときなどもそうですし、段取り(本番前に行う動きの確認)は特に恥ずかしいです。スタッフの皆さんが近くで見守っているのが視界に入っちゃうと「わっ見られてる」と思いますし「動きやお芝居はこれで合っているんだろうか」って。動きを間違えちゃったときなどは、もう芝居中だから止められなくてごめんなさい、と申し訳なくなりますし。私は常に照れを感じてしまうタイプです。
横浜:そうなんだ。そんな風には全く見えないです。
広瀬:皆が見てる!と思うと照れて笑っちゃうんですよね。現場で仲良くなったスタッフさんには「段取り中にあんまりこっちを見ないで」とお願いしています。そうしたら「いや、別にすずちゃんを見ているわけじゃないから。自分の仕事のために全体を見てるんだよ」と言われて、自意識過剰だった…ってまた恥ずかしくなっちゃって(笑)。それを知らずに「ほう…こんな芝居をするのか」って皆に試されてるのかな、って思っちゃっていたんです。完全に被害妄想でした(笑)。

横浜:いや、でも確かに段取りのときに感じるその感覚はわかります。スタッフさんの目線に緊張しちゃいます。
広瀬:私はそういうもので勢いが落ちてしまうタイプなので、李組でご一緒したときに関係なく猛然と突き進む流星くんのお芝居を見て、すごく羨ましかったです。
横浜:でも自分は藤井さんによく「段取りは0点」と言われます。「え、寝てる?」って(笑)。とりあえずテストに移ろう、本番回しちゃおうってなることも多いです。
――藤井監督は「エンジンがかかるまでに多少助走が必要」と仰っていましたが、そこまでストレートに言われるのですね(笑)。
横浜:自分は本当に遅いんだと思います。ワンカットごとに時間をかけられない別の現場などでエンジンがかかりきる前にOKが出てしまい「あっ終わっちゃった…」となることもしばしばなので、今後直していかないといけない自分の課題です。

――これまで幾多の作品に出演されてきたおふたりでも、まだまだご自身に課題を感じられているのですね。
横浜:自分は課題だらけです。つい最近も、綾野剛さんと話していて撃沈してしまって。
広瀬:え? どういう意味でですか?
横浜:「こういう瞬間が台本に書かれていたとしても、それがイコール暗い人間とは限らないんじゃないか」といったような人物の解釈に対して。例えば「広瀬すずはこういう人間である」は人によってそういう風に見えているだけで、明るくふざけている瞬間もあればものすごく落ち込んでいる瞬間もあるものだから、役の生き方はもっと自由なんじゃないか――と。
広瀬:なるほど…。
――最近もある俳優さんから綾野さんに薫陶を受けた話を伺いました。影響力が絶大ですね。
広瀬:それこそ、藤井さんもよく綾野さんのお話をしていますしね。
横浜:剛さんと話して、“俺はまだまだだな”と思ったばかりです。
広瀬:私も課題ばかりですが、これからも冒険し続けたいです。
横浜:はい。自分も冒険し続けます!

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