梅雨を忘れる清涼な映画vol.2 あの頃の甘酸っぱい憧れを。『サイドカーに犬』
子供の頃に、今の自分くらいの大人を見て、とてつもなく遠い存在だと感じたことはありませんでしたか? 親でも、親戚でも、近所のおじちゃん、おばちゃんでもない大人。子供の頃は、誰なのかよく分からないのに親しい大人というのがいたものです。どういう知り合いなのかはっきりしないけれどよく家にやって来る人とか、親と仲が良い人とか。会うと挨拶はするし、お小遣いをもらったりするけれど、本当のところ、いったい誰なのかわからない人たち。そういう人のことは、○○のおじちゃん(もしくはおばちゃん、お姉さん)ではなく、たいてい「○○さん」と名前で呼んでいました。自分との関係性が不明瞭だから。
ファッション小噺vol.43 一見しょぼくれているカウリスマキ作品のおしゃれ感
先日、アキ・カウリスマキ監督の新作『街のあかり』を観てきました。『浮き雲』、『過去のない男』に続く“敗者三部作”の最終章と、監督自身が言うように、今回も、孤独を抱えたダメ男(世間から見れば…)が主人公。相変わらず淡々としていて、派手な演出など一切なし。でも、心にじんわりと染みてきて、なんだか希望が湧いてくる、そんな独特の世界を楽しんできました。
梅雨を忘れる清涼な映画vol.1 棚田風景が美しい『雲南の少女 ルオマの初恋』
いよいよ6月に突入しました。1年の半分が過ぎようとしています。早いものですね、今年ももう梅雨がやって来るなんて。6月生まれの私にとって、誕生日というイベント(いまだに何だか嬉しい)があるために、とても特別な時期ではありますが、そうでない人にとっては休日も少ないし、ジトジトするしで、あまり嬉しい時期ではないはず。生活だけでなく人間の情緒に、天気がいかに大きな影響を与えているか実感する時期でもありますし。
5月病に効く特効薬 処方箋その4. 居座る“憂鬱”に海賊が喝!
6月はもう目前。なのに、まだ五月病を引きずっている人、いませんか? もう、最終治療法としては、この奥の手しかありませんね。『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』です。
ファッション小噺vol.42 フランスの脱力系美女に憧れる
フランス女優って、どうしてあんなに美しく脱力しているのでしょう。とろんとした視線。しどけない仕草。ふんわりとまとめた髪の毛。好んで着るのは、てろんとしたしなやか素材。締め付け下着なんてもってのほか、ノーブラを好んでいたりする…。これを、ハリウッド女優が真似たりしたら、単なるだらしない人になりかねません。
ファッション小噺vol.41 カンヌ映画祭はもうひとつのファッション・ウィーク?
いよいよ始まりましたね、ヨーロッパ最大の映画祭、カンヌ国際映画祭。60回目となる今年の日程は、5月16日〜27日まで。記念すべき年として、5大陸25か国から名監督35人が集まり製作した「劇場」をテーマにした短編映画も上映されるそうで、これも目玉のひとつです。フィンランドのアキ・カウリスマキ(『過去のない男』)、ドイツのヴィム・ヴェンダース(『パリ、テキサス』)、フランスのクロード・ルルーシュ(『男と女』)、イギリスのケン・ローチ(『麦の穂をゆらす風』)、メキシコのアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ(『バベル』)、アメリカのコーエン兄弟(『ファーゴ』)、マイケル・チミノ(『ディア・ハンター』)らと並んで、日本からは北野武監督も参加。「監督週間」には、ダウンタウンの松本人志による初監督作品『大日本人』も招待されているので、日本からの注目も高まりそうです。
5月病に効く特効薬 処方箋その3. アンディ・ラウ主演パンチの効いた新・中国映画
その後、五月病の症状はいかがですか? まだ、あまり改善していませんか? 五月晴れが続くと、お天気のように心も晴れてくるものですが、それでもまだダメだ…というのなら、ちょっとパンチの効いた新しい中国映画『イノセントワールド−天下無賊−』などいかがでしょう。
5月病に効く特効薬 処方箋その2. ぐったり心に“鷹の爪”を注入
お疲れですか? なんだかやる気ないですか? わかります、わかります。私もそうですから。そう、この時期は誰だってそうなのです。ですからこういうときに、いくら知性派だからとシリアスな政治ドラマを観たり、いくらスリラー好きだからと神経の磨り減るようなサスペンスドラマを観たりしてしまったら、症状は悪化するばかり。回復に一番効くのは、バカバカしい映画。「じゃあモノは試しだ」とおっしゃるなら、ぜひ、『秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE 〜総統は二度死ぬ〜』をお試しください(公開は3月でしたが、五月病で苦しむみなさま向けに特別にご紹介しています)。
ファッション小噺vol.40 GWは“熱狂”でした
GWはいかがお過ごしでしたか? 全国の人々が移動する時期には決して旅行をしない方針の我が家では、おうちの周りでウロウロというのが定番。『秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE〜総統は二度死ぬ〜』を観たり、気になっていたのに見逃してしまったアルゼンチンの犬映画『ボンボン』を観たり、我が家のボンボン(犬)とピクニックランチをしたりと、のんびり過ごしました。
ファッション小噺 vol.39 海外TVドラマのキャリアファッションに萌える
先日、コラムのコーナーで、GWのお勧め映画連休に向けた“まとめ鑑賞”をおすすめさせていただきましたが、いかがですか? まとめ鑑賞やっていますか?
5月病に効く特効薬 処方箋その1. ガックリ気分に“パッチギ!”を1錠
楽しい楽しいゴールデンウィーク! あれをして、これをして、そして何もしないでボーっとして…と、誰もがそれぞれの休暇を自分らしく計画していらっしゃることでしょう。仕事を忘れて思い切りリラックスできる日々。でも、そんな楽しかった日々が終わってしまうと、なんだかガックリという人も多いのでは?
オススメ!GWムービー vol.4 愛に迷える子羊と映画監督の卵に贈る仏映画
これまで3週にわたり、GWおすすめ映画として、娯楽要素の強い作品を紹介してきましたが、今回は締めとして、あるアート系のフランス映画をご紹介したいと思います。その名も『フランドル』。哲学教師の経験を持つ、フランスのブリュノ・デュモン監督が、絵画のように美しい風景を誇る故郷フランドル地方を舞台に、愛について描いた映画です。彼はこれまで、『ジーザスの日々』や『ユマニテ』で高い評価を得ながらも、その衝撃的な作風ゆえ、賛否両論を巻き起こす作家としても知られています。そして、難解とも言われているのですが…。
映画にまつわるファッション小噺 vol.38 愛は証明できるのか?
先週末、大学時代の親友が結婚しました。恥ずかしがり屋の彼女は「派手にはしたくない」と言い、ホテル内のチャペルで挙式を見守ったのは親族と私を含めた2人の友達のみ。ウエディングドレスもベアトップのシンプルなもの。厳粛な場では引き算のファッションが清廉さを際立たせるものですよね。お色直しをする人も多いけれど、私はよく似合うひとつのドレスでその1日を過ごすというのも素敵だと思う。色とりどりのドレスより、ウエディングドレス(花嫁衣裳)は何といっても特別ですしね。

