最新ニュース コラム記事一覧(217 ページ目)
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ゆっくりとだが確かな足取りでテーマが観る者に近づいてくる『バベル』
アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥの映画は、全体像を容易には予測させてくれない。『アモーレス・ペロス』も、『21グラム』も、ラストシーンの瞬間に目の前がパーッと開け、メッセージに包まれるような、そんな映画だった。『バベル』でも、冷えた関係を修復しようとモロッコを旅するアメリカ人夫婦、幼い兄妹を連れてアメリカからメキシコへと国境を越えるベビーシッター、モロッコの小さな村に住む兄弟とその家族、聾唖の日本人少女とその父親の物語を通し、ゆっくりとだが確かな足取りでテーマが観る者に近づいてくる。テーマは、想いを伝え合い、分かり合うことの難しさ、そして大切さ。前回のアカデミー賞作品賞受賞作『クラッシュ』にはタイトル通り、「(他者)とぶつかり合いたい」という思いが充満していたが、それにも似たメンタリティが今回のアカデミー賞を席巻した『バベル』の中にもある。
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ハンカチをお忘れなく!『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』レビュー
『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』には泣かされっぱなしだ。原作を読んで泣き、テレビの特番で泣き、続く連ドラでも泣き、この映画でとどめを刺される。すでに知っているストーリーであるのに何故こんなに泣いてしまうのか──それは、リリー・フランキーのオカンが自分の母親に、そしてボクが自分自身として投影されるからに他ならない。随所で“母親の偉大さ”を感じ、いつの間にか樹木希林のオカンの顔が自分の母の顔にすり替えられ、涙が止まらなくなってしまうのだ。
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映画にまつわるファッション小噺 vol.33 フランス映画の女たち
今月20日に閉幕したフランス映画祭2007。レッドカーペットの様子は前回ご紹介しましたが、おしゃれの国フランスからやって来ただけあって、作品の中のファッションも素敵です。
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芽生える、春 vol.3 環境を変えて新しい可能性へ『ホリデイ』
出会いの季節でもあるけれど、別れの季節でもある春。新生活がはじまると、恋人と自分の気持ちが少しずつ離れていってしまうということは、残念ながらあるものです。でも、恋の終わりは、新しい恋のチャンスを作ってくれるというのも事実。それまで見えなかった可能性が生まれるのです。
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シネマカフェ的海外ドラマ生活 vol.16 新タイプの医療ドラマ「HOUSE」に注目!
「いろいろなタイプの海外ドラマがたくさん作られている中で、本当に面白いものはナンダ?」ということで、今回から3週にわたり、今最もオススメの海外ドラマ「HOUSE」について紹介していこうと思います。
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映画にまつわるファッション小噺 vol.32 “女王降臨”カトリーヌ・ドヌーヴが登場したフランス映画祭のレッドカーペット
3月15日(木)、フランス映画祭2007が六本木で幕を開けました。今年は10年ぶりの来日となるカトリーヌ・ドヌーヴが団長を務めるとあって、オープニングナイトを飾るレッドカーペット・イベントに大勢の報道陣が集まりました。私も、取材のため寒空の中、会場となった六本木ヒルズへ。風邪気味な上、翌日に3本のインタビューを予定していたので、これ以上体調を悪くしてはいけないと、厚着して出かけたのでした。
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芽生える、春 vol.2 自分に目覚める季節を描く『あしたの私のつくり方』
4月。入学や入社、転校、転職など、人と別れたり出会ったりすることが多い季節です。複雑な社会の中では、それにともない多少なりとも緊張が漂います。
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世界の映画館 vol.06 キューバ
当たり前だが社会主義の国にも映画館はある。勉強不足のため、社会主義の国をあげろと言われたらキューバと北朝鮮くらいしか思い浮かばない。その一つキューバに行く。キューバと言えば『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』、『苺とチョコレート』、チェ・ゲバラのドキュメンタリーなど、僕の中では芸術と革命というイメージが強い。
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芽生える、春 vol.1 開花する美少年、ギャスパー・ウリエル
いったい冬はどこへ? 気象観測史上でも稀に見る暖冬ということで、あっという間に冬を飛び越え春になってしまった日本列島。東京でも、すでに桜がちらほら咲き始めてしまったほど。狂い咲きする桜を見ていると、地球に温暖化をもたらした人間として、申し訳ない気分になります。とはいえ、春の訪れはいつも嬉しいもの。そして、この時期は植物の芽だけでなく、人間の心の中にもさまざまな“もの”が芽生えます。そこで、今月は映画で描かれるさまざまな“芽生え”についてご紹介したいと思います。
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映画にまつわるファッション小噺 vol.31 お手頃価格で人気のIKEAで映画のようなインテリアに!
先日、IKEAの発表会に行ってきました。IKEAといえば、デザイン、機能にプラスして、お手ごろ価格が魅力のインテリアブランド。
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シネマカフェ的海外ドラマ生活 vol.15 かわいがってあげたいキュート系、アダム・ブロディ
男前スター紹介第7弾にして最終回となる今回は、「The OC」のアダム・ブロディをピックアップ! 先日、主演のひとり、ミーシャ・バートンがプロモーション来日したことでも話題の「The OC」は、カリフォルニア州オレンジ・カウンティ(OC)を舞台にした人気ドラマ。悩める若者たちの青春模様を描き、全米のティーンから圧倒的な支持を集めています。
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ロバート・アルトマン監督の遺作がいよいよ公開!『今宵フィッツジェラルド劇場で』
ロバート・アルトマン監督を知らないという人であっても、世界3大映画祭(カンヌ、ヴェネチア、ベルリン)で最高賞を受賞、米アカデミー監督賞は史上最多の5度ノミネートという受賞歴を聞けば、いかに素晴らしく、いかに才能ある映画作家であったのかが分かるだろう。本作『今宵、フィッツジェラルド劇場で』は、彼の代表作の一部『ナッシュビル』、『カンザス・シティ』同様に音楽を題材にしたトラジコメディ(悲喜劇)であり、また、2006年11月20日にこの世を去った(享年81歳)アルトマンの遺作でもある。
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2007年前半、注目の日本映画 vol.4 強烈な個性に脱帽
先日発表となったアカデミー賞でも、注目を集めた日本がらみの作品。ここ数年は俳優だけでなく、清水崇、中田秀夫ら監督たちのハリウッド進出、そして成功も珍しくなく、その力量を見せつけている現代邦画界。業界に勢いがあるときは、大手映画会社が出資する大作だけでなく、単館系の作品にも勢いのあるものが目立つように。

