兄が3,000万円の借金を残して失踪して以来、図書館司書の一男は夜も働きながら借金を返済している。妻・万佐子は一男に愛想を尽かし、離婚届を残して娘・まどかと一緒に家を出てしまうのだった。そんな踏んだり蹴ったりの一男だったが、突然宝くじが当たる。当選金額3億円! これで借金を返せるだけでなく、家族の絆を修復することができるはず。だがネットを見ると、宝くじの高額当選者たちはみな悲惨な人生を送っているという記事ばかり。怖くなった一男は大学時代の親友であり、起業して億万長者となった九十九にアドバイスを求めることに。しかし、3億円と共に九十九は姿を消していた――。
大友啓史