ゴールデン・グローブ賞で作品賞を受賞し、2月25日に発表されるアカデミー賞でも作品賞の最有力候補との呼び声も高い『バベル』。本作に耳の聞こえない女子高生役で出演し、アカデミー賞助演女優賞にノミネートされ注目を集める菊地凛子が授賞式に臨む現在の心境を語ってくれた。
瀬尾まいこのベストセラー小説を原作に、ある家族の崩壊と再生を綴った『幸福な食卓』。「父さんは今日で父さんを辞めようと思う」という衝撃的な台詞で始まる本作で語られるのは、中学生の少女・佐和子の目線を通して見つめた家族のドラマだ。3年前に自殺を図った父親、その事件をきっかけに家を出て一人暮らしを始めた母親、大学進学を辞めて農業の道を選んだ兄——。そんなシリアスな要素が独特の穏やかな雰囲気でくるまれているが、母親を演じた石田ゆり子自身、最初は「原作の優しい空気感を映像に表すのは難しいんじゃないかと思いました」という。
「原作の一ファンとしては、映像にするのが怖いくらいだったんです。でも、家族のひとりひとりがすごく優しくて、優しさゆえに距離を置こうとし、ぎくしゃくしてしまう。そんな家族のドラマを演じてみたい気持ちが勝りました。あと、怖いといえば、中学生の子のお母さんならまだしも、20歳を超えたお兄ちゃんもいるお母さんを演じるなんて……という不安もあったんですけど(笑)」
中性的な色気を放つ俳優──『Life』に映し出されている綾野剛の印象を一言で表すとしたらそんな形容詞が当てはまるのではないだろうか。モデル、バンド活動を経て『仮面ライダー555』で俳優デビューを飾り、劇場映画初主演となる本作では、地方でキャンドル・アーティストの道を歩む青年・勇を演じている。日々の生活の中で繰り返される喜び、痛み、苦しみ、希望、愛…この『Life』は当たり前だと思っていたことを特別に感じさせる、不思議な力がある映画だ。
韓国、日本はもちろん、アジアで圧倒的な人気を誇るスター、イ・ビョンホンが『甘い人生』(2005)後、1年間の充電期間を経て挑んだ『夏物語』。“学生反乱の時代”“政治の季節”と呼ばれる激動の時代──1969年を舞台に、ある男女の忘れることのできない恋を描いた純愛物語だ。『純愛中毒』以来、実に4年ぶりのラブストーリー出演とあればファンならずとも期待は膨らむ! さらに今回は20代の大学生から60代の老教授という2つの年代を演じていることもあり、改めてイ・ビョンホンの演技力の深さに驚くことだろう。
2001年。アフガニスタンで戦闘に巻き込まれた4人のパキスタン系イギリス人の青年たち(アシフ、ローヘル、シャフィク、ムニール)は無実の罪でアメリカ軍に拘束され、テロリストとして米軍基地グアンタナモに送られてしまう。拘束期間は2年半──。彼らが再び自由を手に入れるまでを描いたのが、『グアンタナモ、僕達が見た真実』だ。世界中に衝撃を与えたこのショッキングな事件の当事者であるローヘル・アフマド、シャフィク・レスルが来日。映画化について、そして今の心境を語ってもらった。
キリッとした眼差し、凛とした佇まい──女優、瀬戸朝香の放つ魅力を一言でいうと、女性が憧れるかっこいい女性ではないだろうか。TVドラマはもちろん『DEATH NOTE』、『BLACK NIGHT』など映画でも活躍をみせた2006年。そして2007年の正月第1弾、痴漢冤罪事件をテーマに日本の裁判のあり方を描いた社会派ムービー『それでもボクはやってない』では、新人弁護士・須藤莉子を演じている。周防正行監督が『Shall We ダンス?』以来、実に11年ぶりにメガホンを取ったことで注目を集めている話題作だ。
映画、CM、舞台など幅広い活躍を見せる桃井かおり。『SAYURI』でハリウッド進出を図るなど、最近では活動の場をアメリカにも置いてそのキャリアにますます磨きをかけている。そんな桃井さん、実はこれまでも数多くの映像制作を手がけてきたという。そして今回、初めてメガホンをとった作品がこの『無花果の顔』だ。「もともとは27歳ぐらいのときに書いていたエッセイが原案。連載用に長編が書きたかったんだけど、私にはそんな構成力がなくて…。で、編集者に相談したら『とりあえずそのエッセイをつなげてみたら?』って言われたの。適当に番号つけてシャッフルしたら、『斬新な構成だ!』ってホメられたわ(笑)」
おそらく、そのニュースを聞いた瞬間、多くの日本人が疑問を抱いただろう。なぜ、韓国の青年が、命を賭けてまで日本人を助けようとしたのか、と。2001年1月26日、JR新大久保駅のホームから線路に転落した男性を助けようとして、命を落とした韓国からの留学生、イ・スヒョンさん。その実話を基に、夢と恋に生きた青年の短くも美しい半生が映画化され、主人公のイ・スヒョンを演じたイ・テソンが来日した。
世界から注目を浴びるクリエイター、塚本晋也の記念すべき長編第10作目となる『悪夢探偵』。舞台は現実世界の裏側──夢の世界。「夢の中に入りそうな佇まいを持つのはこの人しかいない」とラブコールを受けたのは、本作をはじめいくつも待機作が控える絶好調の松田龍平。アンチポジティブなダークヒーローという特異なキャラクターについて、また映画の魅力について語ってもらった…。
独自の成功論を家族にまで押し付ける教師の父、バラバラの家族を必死にまとめようとする母、家族を嫌って沈黙を続ける兄、ヘロイン常用者で老人ホームから追い出された祖父、失恋が原因で自殺を図ったゲイの伯父、そしてビューティ・クイーンを夢見る少女・オリーヴ——。このちょっと変わった家族を乗せて1台のオンボロバスが走り出す。行き先は、少女たちが美を競う“リトル・ミス・サンシャイン”コンテスト。家族の絆をテーマにしたロードムービー『リトル・ミス・サンシャイン』のキュートなヒロイン、アビゲイル・ブレスリンが日本にやってきた。
あるクイズ番組の最後の質問の答えが“ドリュー・バリモア”だったという理由で、その賞金1,100ドルを元手にドキュメンタリー映画を作ってしまった男、ブライアン・ハーズリンガー。映画界において全く無名だった彼を監督へと突き動かしたのは、6歳の頃から憧れ続けるドリュー・バリモアに「会いたい!」という情熱。超有名なハリウッド・スターとのデートをするために奮闘する30日間を追った『デート・ウィズ・ドリュー』とは一体どんな映画なのか、そして無茶苦茶な企画を実行したブライアン・ハーズリンガーとはどんな男なのか!? 来日した監督に単独取材を敢行した!
「さくらんぼ」、「プラネタリウム」などで注目を浴びているシンガーソングライターの大塚愛が主演を果たした青春ガールズムービー『東京フレンズ The Movie』。玲(大塚愛)を中心とする4人のヒロインの恋、友情、夢を綴った本作はDVDドラマ(全5話)としてスタートし、2006年の夏にはドラマのその後を描いた映画版も公開された。そして、早くもその映画版がDVDで登場! 映画版では一流企業のOL生活を経て居酒屋「夢の蔵」の店長の弟・敬太郎(北村一輝)と結婚、女将に転身…という4人の中で姉御肌的存在の涼子を演じた真木よう子に「東京フレンズ」シリーズを振り返ってもらった。
心温まる動物映画が多数公開される今冬。街中で暮らしていたクマが、未体験の野生の森に放り出されたことから始まる冒険を描いた『オープン・シーズン』がいよいよ日本に上陸する。甘えん坊なペットのクマ・ブーグをはじめ、トラブルメーカーのシカ・エリオットやビーバー、ヤマアラシなど、次々と登場するユニークな動物キャラクターたちと、繊細で美しい映像が魅力の本作。公開を控え来日した2人の監督、ロジャー・アラーズとジル・カルトンに見所を語ってもらった。