2006年のヴェネチア国際映画祭で絶賛された黒沢清監督の最新作『叫(さけび)』。これまで、幾度となく“恐怖”を映像化してきた黒沢監督だが、本作では日本の伝統的な“怪談”を参考にした古典的な恐怖に、謎解きの要素を加え、本格的なミステリーという過去にないアプローチで恐怖に迫っている。主演はこれが7作目の黒沢作品出演となる役所広司、共演には小西真奈美、伊原剛志、さらに3年半ぶりの映画復帰となった葉月里緒奈など豪華キャストが顔を揃えた。
映画を中心に実力派俳優として活躍する安藤政信。昨年の2006年は『ギミー・ヘブン』、『BLACK KISS』、『46億年の恋』、『青春☆金属バット』、『ストロベリーショートケイクス』と、これまでにないほど出演作の公開が立て続いた。そして2007年、『悪夢探偵』に続き公開されるのが本作『さくらん』だ。
1998年長野冬季オリンピックで正式種目となり、2002年のソルトレイクでは4人の少女たちが日本女子代表チーム“シムソンズ”として世界に挑み、2006年のトリノではこれまでにない盛り上がりをみせた冬のスポーツ、カーリング。昨年は実話をもとにした映画『シムソンズ』が公開されるなど、その注目は年々高まってきている。そんな中、カーリングの面白さとカーリングを通じて生まれた恋をテーマにしたスポーツ・ラブコメディが誕生した。
「やっちゃったなぁって感じですよね(笑)」。インタビュー早々に飛び出したこの発言から、大杉漣が今までにない役を演じたと察しがつくだろう。主演俳優として、またバイプレイヤーとして圧倒的な数の作品に出演するベテランであっても演じたことのない役とは一体どんな役なのか──。それが登場するのは園子温監督の『エクステ』。その名の通り、近年のファッション界でお馴染みのヘアー・エクステンション(つけ毛)をテーマにしたホラー映画だ。栗山千明演じるヒロインたちがエクステに乗り移った少女の怨念に巻き込まれるという物語。“史上最大の怪演!”と驚異の演技を魅せた大杉さんに『エクステ』の魅力について、また自らの新境地を得た想いについて語ってもらった。
歌手としてはもちろん、女優として確実のそのキャリアを積み重ねている小泉今日子。綺麗で、可愛らしく、大人っぽく、若々しい…年齢を重ねるほどに魅力が増していく女性。そんな小泉さんの新作は、明治の文豪・夏目漱石の「夢十夜」を映画化した『ユメ十夜』。実相寺昭雄、市川崑といった巨匠から清水崇、西川美和といった新鋭陣──日本映画界の今を代表する10名の監督が10の夢を描いている、何とも豪華な映画である。
ゴールデン・グローブ賞で作品賞を受賞し、2月25日に発表されるアカデミー賞でも作品賞の最有力候補との呼び声も高い『バベル』。本作に耳の聞こえない女子高生役で出演し、アカデミー賞助演女優賞にノミネートされ注目を集める菊地凛子が授賞式に臨む現在の心境を語ってくれた。
瀬尾まいこのベストセラー小説を原作に、ある家族の崩壊と再生を綴った『幸福な食卓』。「父さんは今日で父さんを辞めようと思う」という衝撃的な台詞で始まる本作で語られるのは、中学生の少女・佐和子の目線を通して見つめた家族のドラマだ。3年前に自殺を図った父親、その事件をきっかけに家を出て一人暮らしを始めた母親、大学進学を辞めて農業の道を選んだ兄——。そんなシリアスな要素が独特の穏やかな雰囲気でくるまれているが、母親を演じた石田ゆり子自身、最初は「原作の優しい空気感を映像に表すのは難しいんじゃないかと思いました」という。
「原作の一ファンとしては、映像にするのが怖いくらいだったんです。でも、家族のひとりひとりがすごく優しくて、優しさゆえに距離を置こうとし、ぎくしゃくしてしまう。そんな家族のドラマを演じてみたい気持ちが勝りました。あと、怖いといえば、中学生の子のお母さんならまだしも、20歳を超えたお兄ちゃんもいるお母さんを演じるなんて……という不安もあったんですけど(笑)」
中性的な色気を放つ俳優──『Life』に映し出されている綾野剛の印象を一言で表すとしたらそんな形容詞が当てはまるのではないだろうか。モデル、バンド活動を経て『仮面ライダー555』で俳優デビューを飾り、劇場映画初主演となる本作では、地方でキャンドル・アーティストの道を歩む青年・勇を演じている。日々の生活の中で繰り返される喜び、痛み、苦しみ、希望、愛…この『Life』は当たり前だと思っていたことを特別に感じさせる、不思議な力がある映画だ。
韓国、日本はもちろん、アジアで圧倒的な人気を誇るスター、イ・ビョンホンが『甘い人生』(2005)後、1年間の充電期間を経て挑んだ『夏物語』。“学生反乱の時代”“政治の季節”と呼ばれる激動の時代──1969年を舞台に、ある男女の忘れることのできない恋を描いた純愛物語だ。『純愛中毒』以来、実に4年ぶりのラブストーリー出演とあればファンならずとも期待は膨らむ! さらに今回は20代の大学生から60代の老教授という2つの年代を演じていることもあり、改めてイ・ビョンホンの演技力の深さに驚くことだろう。
2001年。アフガニスタンで戦闘に巻き込まれた4人のパキスタン系イギリス人の青年たち(アシフ、ローヘル、シャフィク、ムニール)は無実の罪でアメリカ軍に拘束され、テロリストとして米軍基地グアンタナモに送られてしまう。拘束期間は2年半──。彼らが再び自由を手に入れるまでを描いたのが、『グアンタナモ、僕達が見た真実』だ。世界中に衝撃を与えたこのショッキングな事件の当事者であるローヘル・アフマド、シャフィク・レスルが来日。映画化について、そして今の心境を語ってもらった。
キリッとした眼差し、凛とした佇まい──女優、瀬戸朝香の放つ魅力を一言でいうと、女性が憧れるかっこいい女性ではないだろうか。TVドラマはもちろん『DEATH NOTE』、『BLACK NIGHT』など映画でも活躍をみせた2006年。そして2007年の正月第1弾、痴漢冤罪事件をテーマに日本の裁判のあり方を描いた社会派ムービー『それでもボクはやってない』では、新人弁護士・須藤莉子を演じている。周防正行監督が『Shall We ダンス?』以来、実に11年ぶりにメガホンを取ったことで注目を集めている話題作だ。
映画、CM、舞台など幅広い活躍を見せる桃井かおり。『SAYURI』でハリウッド進出を図るなど、最近では活動の場をアメリカにも置いてそのキャリアにますます磨きをかけている。そんな桃井さん、実はこれまでも数多くの映像制作を手がけてきたという。そして今回、初めてメガホンをとった作品がこの『無花果の顔』だ。「もともとは27歳ぐらいのときに書いていたエッセイが原案。連載用に長編が書きたかったんだけど、私にはそんな構成力がなくて…。で、編集者に相談したら『とりあえずそのエッセイをつなげてみたら?』って言われたの。適当に番号つけてシャッフルしたら、『斬新な構成だ!』ってホメられたわ(笑)」
おそらく、そのニュースを聞いた瞬間、多くの日本人が疑問を抱いただろう。なぜ、韓国の青年が、命を賭けてまで日本人を助けようとしたのか、と。2001年1月26日、JR新大久保駅のホームから線路に転落した男性を助けようとして、命を落とした韓国からの留学生、イ・スヒョンさん。その実話を基に、夢と恋に生きた青年の短くも美しい半生が映画化され、主人公のイ・スヒョンを演じたイ・テソンが来日した。